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Sunday, August 31, 2014


1954年のグアテマラや1973年のチリのCIAクーデターの教訓に学んだチェベスは立派だった,対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者セヌリ党員の中西良太さんのレビューより
 2014/8/31
本ビデオシリーズは、今や一般に普及している簡単な家庭用ビデオカメラで撮られた政治的要人たちのインタビュー集です。中でも、チャベスは1954年のグアテマラや1973年のチリのCIAクーデターによって、民主主義的に成立した国民政権が不当にも崩壊させられた教訓から、新しい革命の在り方として、平和革命、ただし武力を放棄しない軍民一体のボリバル革命と定義しています。この形式は、20世紀の社会主義運動の成功した手段を総合したものでした。チャベスは、最も傑出した21世紀初頭の新しい民主主義政体を確立しましたし、今もラテンアメリカでは発展中です。素晴らしい!!よく本作の監督達は彼にインタビューできたなと、羨ましかったです。

Friday, August 29, 2014


中南米諸国の対米独立闘争の偉大な勝利者達にストーン監督がインタビューに挑んだ必見作!対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者/セヌリ党員の中西良太さんのレビューより
2014/8/29
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どうして、本作を日本語版で出版しないのか?

それは、ベネズエラの故Hugo Chavez; ボリビアのEvo Morales;ブラジルのLula da Silva; アルゼンチンのCristina Kirchner; Nestor Kirchner; パラグアイのFernando Lugo; エクアドルのRafael Coprrea; キューバのRaul Castro達、ネオリベラリズムと米帝国主義ご恒例の政権転覆工作と米軍による謀略に抗して勝利した彼らの思想、崇高な独立精神と民主主義が、日本国内の対米隷属勢力である体制側に不都合だからである。

日本人の多くは、彼らがCIAや国内のマスゴミによって如何に不当に人物破壊に遭っているか分かるし、彼らの社会民主主義的政策が日本人の大多数も切望しているものだと痛感した。中でも、チャベスとストーン監督の交流が主軸で、お茶目で、ちゃりんこに乗って乗り潰してしまう故チャベス大統領は好感度抜群であった。また、彼らは皆独裁者でもないし、冷戦史観では正確に理解できないイデオロギー的立場である事にも注意が要る。 彼らは、アジェンデの悲劇やグアテマラの1954年の米による政権転覆工作の教訓にも学び、ネオリベラリズムの克服の為の国際連帯を曾てなかった程の歴史的高みに引き上げていることが本作で証明されており、明るい未来が示されている。

本作は、対米独立/反ネオリベラリズム闘争の同志達にとって必見作です。我々にはストーン監督のようなアメリカの民主派との共闘が不可欠です。 

Thursday, August 28, 2014


改革開放は1978年からという公式史観への挑戦対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者/セヌリ党員の中西良太さんのレビューより
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2014/8/27
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本書は、独自に改革開放が1972年に始まったという再定義に挑戦しており、1972年の毛沢東政権の文革下で検討され、実は既に一部始まっていた実質的な改革開放政策に光を当て今年までの中国の政治的、経済的な動向を、日本語で中国政治を研究している日本の多数のインテリ層の対中国論考の概括として参考になりました。

一言で本書の中心思想を概括しているのが以下の言葉です。「権力の独占の下で市場化が進んだ結果、社会矛盾が高じて開発主義のみでは人心を収攬できなくなり、『紅二代』は革命回帰やナショナリズムを国民統合の手段として用いているのである。」(210ページ)

これは、総じて大手メディアの社説に典型的に見受けられる論調の最新版です。また、共産主義は開発主義の一種であり、ネオリベラリズムこそ逆にチャルマーズ・ジョンソンらによって開発主義と対比させられている点に留意が必要です。また、 小平が第二次天安門事件のころから顕著なネオリベラリズムへシフトしている点も峻別が必須であり、一概に開発主義で括ると、安倍政権までも開発主義ということになってしまいます。

本書の叙述は、安倍政権の対中分析に酷似していますが、全体として連続性の中で、近代/現代中国史を年代別に考察する上で参考になる書籍です。

動乱の時代の必読書対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者/セヌリ党員の中西良太さんのレビューより
2014/8/24
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私は、本書を読んで第一部の『「危機の時代」に備えよ』が特に興味深かったです。佐藤さんは、反知性主義と新帝国主義、新自由主義、代議制民主主義の純化としての独裁への批判という立場から論述されています。どれも、ネットから孤立しては機能不全に陥る電子書籍よりも大切な日本及び国際社会の重大問題です。

反知性主義については、「当時から私は、自民党のパワー・エリート達の反知性主義的傾向に繰り返し危機感を表明してきましたが、事態が改善される見通しは一向にありません。それどころか、靖国参拝や慰安婦問題を巡って、反知性主義がさらに顕在化してきています。こうした反知性主義が外交上、極めて深刻な影響を与えていることは明らかです。」(81ページ)

反知性主義と安倍が代表する歴史修正主義の軍国主義的傾向は一致しており、佐藤さんの分析は多くの民主主義的な国民が共有する見識です。この認識に基づいて、推薦図書である『独裁者のためのハンドブック』が紹介されています。各節ごとに、まず佐藤さんはその中心的な問題に就いての議論から始められており、単に本の紹介にはなっていません。しかも、洋書であれ、常に日本の問題として論じられています。

さらに、新帝国主義に就いても興味深いです。佐藤さんは、クリミア半島併合に関するウクライナでの米露の新帝国主義的対立軸を捉え、新冷戦(共産主義と資本主義の新対立?)論に反対し、ロシアの制限主権論がソ連の焼き直しであることを結論づけています。また、TPPも自由貿易の擬制による米国中心のブロック経済形成であり、新帝国主義であることを正しく指摘されています。佐藤さんによる新帝国主義の定義は以下です。

「植民地をもたず、全面戦争を避けようとするのが、新・帝国主義の特徴なのです。しかし、新・帝国主義になっても、外部からの搾取と収奪により生き残りを図るという帝国主義の本質や行動様式は変わりません。」(72ページ)

つまり、今は帝国主義の時代への回帰というより、新・帝国主義という形態への止揚という段階であり、ネオリベラリズムで中間団体の弱体化や大幅なその消滅によりアトム化した個人、グローバル資本主義を統制する為の国権主義/独裁の強化として現状の政治的段階を定義づけることができます。

では、本書の意義と目的は何なのか? それは佐藤さんの次の言から感受できます。

「いまだに近代の枠組の中で生きている以上、私たちはナショナリズムとも帝国主義ともつきあっていかなければなりません。そしてそれらが暴走して、戦争や排外主義に向いそうなときには、全力で食い止めなければならない。では、どうやって国家の暴走を防げばよいのでしょうかーそのためには、権力というものの本質を知ることが必須となります。」(P.77)

ちなみに、佐藤さんによる革命/クーデターの推薦書は、トロツキーによるメディアや官庁など主要機関の奪取だけで政権獲得を可能とする普遍的な戦略を評価したマラパルテの『クーデターの技術』と、レーニンの『何をなすべきか?』です。この二冊を、私は佐藤さんがご紹介されるとは思わなかったので、感激しました。是非、熟読したいです。

本書は、安倍独裁政権と米帝国主義に苦しめられている全日本国民必読の書です。

教科書に絶対でない日本史:大戦時の日米独ソの諜報戦の内情を知る上で不可欠の書対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者/セヌリ党の中西良太さんのレビューより
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2014/8/23
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吉野さんは、戦時中の在独日本大使館勤務時と沖縄密約交渉に就いて内情を吐露されており、とても興味深い本です。例えば、当時勢力を誇ったアメリカ共産党を装ったFBI工作員が、吉野さん一行に駅で接近し、後の米による原爆開発の情報を流し、彼らの反応を見ていた箇所は、さすがインテリジェンスのプロの分析と記述だと感心しました。こういう情報は、教科書には絶対出てきませんが、歴史学的に重要な細部です。また、ここからも当時から軍部だけでなく、外務省も諜報機関の機能を負っていることも理解できます。

さらに、本書では幾つかの極めて重要な吉野さんによる歴史的証言と佐藤さんによる分析がなされております。例えば、現下日本での反知性主義、排外主義と匿名性の増大の内的関連を佐藤さんは、「社会が匿名を好むようになる状況の背後には、異論を唱える者を排除しようとする全体主義的な力が存在するのだ。現下日本でも、個人情報保護という大義名分によって匿名化が急速に進んでいるが、その背後に少数者を排除する同調圧力があることを、多くの日本人は認識していない。」(139ページ)と鋭利に分析されていたり、吉野さんの証言で、当時の在独全権大島大使が、部下達にソ連によるベルリン包囲進撃の中でも、宴会に興じ、酒と肴を危険の中でも部下達に持ってドイツ首脳部に届けさせることに執心し、250名ほどの在留邦人達の命もそっちのけだったという無秩序で、悲惨な有様に当時の所謂大日本帝国の縮図が見受けられますし、本書において最も核心に触れる部分です。また、ソ連の前線部隊によるによる物資強奪、財産没収や、手当たり次第のドイツ人女性の大量レイプ事件は事実であったことが、吉野さんによって証言されており無視できません。そして、日本は本土決戦に備えて、中国共産党から学んだ、日本軍にとって不慣れなゲリラ戦を陸軍中野学校がマニュアルまで完成させていた事実や、リッベントロップ、ゲーリング、ヒムラーなどのヒトラー側近が、密かに英米と通じて、和平交渉へともっていき、且つ対ソ連戦を継続する戦略を敗戦土壇場で持ち出し失敗していたことなども印象に残りましたし、教科書にはこの史実も出てきません。これらの論考の中で、本書に込められたメッセージと言えるのが、大島大使に就いて論評した次の箇所です。

佐藤さん:「この程度の情勢認識と判断しかできない人物が、強引に日独の軍事同盟を推し進め、日本を戦争へと引きずり込む上で大きな役割を果たしていたという事実を歴史にきちんと刻み込んでおく必要がある。」(211ページ)

やはり、ドイツでの外交の最前線でもインパール作戦での牟田口廉也のような人物が指導していたために無謀且つ多大な危険に巻き込まれるはめになったという点は共通しているし、正に当時の日本社会の縮図と病根をここに見る事が出来ます。
 
本書は、大戦時の日米独ソの諜報戦の内情を知る上で不可欠の書です。

核平和利用という虚偽を暴く!日米原子力協定の破棄はアイゼンハワーの呪縛を解く鍵!対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者/ セヌリ党の中西良太さんのレビューより
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2014/8/22
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日米同盟は、日米核同盟として、アイゼンハワーの平和核利用戦略という、実は軍事核兵器を使用可能にし続けるための欺瞞であることが分かります。また、核=原子力は、冷却装置稼働における石油などの枯渇燃料の最悪の浪費であり、小泉などの偽脱原発派は石油利権の為に反原発勢力を分化させる役割で動いている事も分かります。さらに、福島では、実はサイロイド(甲状腺)系のガンが多発していますが、政府は隠蔽している事も分かります。例えるならば、日米核同盟は、全体としての日米同盟という蛸の異なった足です。核問題、原子力発電問題、日米同盟問題は全て不可分に関連しており、単に抽象的に原発に限定せず、本書のような体系的な考察が必須です。

本書の独自性を如実に示す秀逸な分析箇所の一つを以下に紹介します。そこでは、なんと原発問題、核武装問題、日米核同盟問題と日米同盟全体の重要問題の一つである独裁者安倍による集団的自衛権行使の問題が不可分のものとして体系的に見事に分析されています。また、以下の箇所から著者の思想的立場、本書の核心部分を把握できます。

「それにしても、安倍政権の押し進める解釈改憲によって日本の自立的傾向が一気に強まり、それが被爆国による独自核武装のシナリオにも発展しかねない、そんな一抹の不安がオバマ政権には残っていないか。オバマ政権一期目にホワイトハウス調整官として米国の核政策を統括したゲイリー・セイモアと2014年6月、この点を巡って意見交換した。彼は『日本の強力な反核世論』が日本の独自核武装に対する重大な歯止めになるとの見方を示し、冷戦が依然続いていたレーガン政権時代の議論が今日には必ずしも当てはまらないとの分析を披露してくれた。『集団的自衛権行使=自立化=独自核武装』という単純な方程式は今や成立し得ないので、日本の集団的自衛権行使を容認しても問題ない。むしろ日米同盟の強化につながり、そのことは財政事情が逼迫する米国の負担軽減にもつながるー。こんな盟主の算段が、オバマの集団的自衛権行使への支持表明を可能にしたのだろう。」(PP.236-237)

さらに留意すべきは、対米独立は軍国主義化を意味していないし、脱原発も、反核も直ちに対米従属を意味していないという事です。ここに、形而上学的な単純な等価方程式は成立しません。筆者が指摘する様に、集団的自衛権行使は、対米隷属なのです。しかも、それは自衛権とはいえ、自国が攻撃された場合ではないので他衛権と言うべき代物であり、そもそも日本防衛とは別の目的の為のものです。

本書は、2018年に期限切れとなる日米原子力協定と原発問題を日米同盟問題全体から考察する上で、全日本国民必読の書です。

Monday, August 25, 2014


動乱の時代の必読書対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者/セヌリ党の中西良太さんのレビューより
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2014/8/24
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私は、本書を読んで第一部の『「危機の時代」に備えよ』が特に興味深かったです。佐藤さんは、反知性主義と新帝国主義、新自由主義、代議制民主主義の純化としての独裁への批判という立場から論述されています。どれも、ネットから孤立しては機能不全に陥る電子書籍よりも大切な日本及び国際社会の重大問題です。

反知性主義については、「当時から私は、自民党のパワー・エリート達の反知性主義的傾向に繰り返し危機感を表明してきましたが、事態が改善される見通しは一向にありません。それどころか、靖国参拝や慰安婦問題を巡って、反知性主義がさらに顕在化してきています。こうした反知性主義が外交上、極めて深刻な影響を与えていることは明らかです。」(81ページ)

反知性主義と安倍が代表する歴史修正主義の軍国主義的傾向は一致しており、佐藤さんの分析は多くの民主主義的な国民が共有する見識です。この認識に基づいて、推薦図書である『独裁者のためのハンドブック』が紹介されています。各節ごとに、まず佐藤さんはその中心的な問題に就いての議論から始められており、単に本の紹介にはなっていません。しかも、洋書であれ、常に日本の問題として論じられています。

さらに、新帝国主義に就いても興味深いです。佐藤さんは、クリミア半島併合に関するウクライナでの米露の新帝国主義的対立軸を捉え、新冷戦(共産主義と資本主義の新対立?)論に反対し、ロシアの制限主権論がソ連の焼き直しであることを結論づけています。また、TPPも自由貿易の擬制による米国中心のブロック経済形成であり、新帝国主義であることを正しく指摘されています。佐藤さんによる新帝国主義の定義は以下です。

「植民地をもたず、全面戦争を避けようとするのが、新・帝国主義の特徴なのです。しかし、新・帝国主義になっても、外部からの搾取と収奪により生き残りを図るという帝国主義の本質や行動様式は変わりません。」(72ページ)

つまり、今は帝国主義の時代への回帰というより、新・帝国主義という形態への止揚という段階であり、ネオリベラリズムで中間団体の弱体化や大幅なその消滅によりアトム化した個人、グローバル資本主義を統制する為の国権主義/独裁の強化として現状の政治的段階を定義づけることができます。

では、本書の意義と目的は何なのか? それは佐藤さんの次の言から感受できます。

「いまだに近代の枠組の中で生きている以上、私たちはナショナリズムとも帝国主義ともつきあっていかなければなりません。そしてそれらが暴走して、戦争や排外主義に向いそうなときには、全力で食い止めなければならない。では、どうやって国家の暴走を防げばよいのでしょうかーそのためには、権力というものの本質を知ることが必須となります。」(P.77)

ちなみに、佐藤さんによる革命/クーデターの推薦書は、トロツキーによるメディアや官庁など主要機関の奪取だけで政権獲得を可能とする普遍的な戦略を評価したマラパルテの『クーデターの技術』と、レーニンの『何をなすべきか?』です。この二冊を、私は佐藤さんがご紹介されるとは思わなかったので、感激しました。是非、熟読したいです。

本書は、安倍独裁政権と米帝国主義に苦しめられている全日本国民必読の書です。 

Sunday, August 24, 2014


Mr. Sato's Useful Methodology For Reading Skill Improvement対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
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2014/8/24
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This book has great tips and examples that will help students and businessmen to learn how to read better. The examples and teachings are very good. Thanks, Mr. Sato!

教科書に絶対でない日本史:大戦時の日米独ソの諜報戦の内情を知る上で不可欠の書対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
2014/8/23
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吉野さんは、戦時中の在独日本大使館勤務時と沖縄密約交渉に就いて内情を吐露されており、とても興味深い本です。例えば、当時勢力を誇ったアメリカ共産党を装ったFBI工作員が、吉野さん一行に駅で接近し、後の米による原爆開発の情報を流し、彼らの反応を見ていた箇所は、さすがインテリジェンスのプロの分析と記述だと感心しました。こういう情報は、教科書には絶対出てきませんが、歴史学的に重要な細部です。また、ここからも当時から軍部だけでなく、外務省も諜報機関の機能を負っていることも理解できます。

本書は、大戦時の日米独ソの諜報戦の内情を知る上で不可欠の書です。

キューバという素敵な民主主義社会を反映するキューバ音楽は陽気でいいね!対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
2014/8/23
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私は、ウェンダース監督作品やその他のキューバのドキュメンタリー映画を観て、キューバ音楽に目覚めました。中でも第一曲目のChan Chanがお気に入りです。キューバの町並みも米帝国主義の経済封鎖下とはいえ、とても質素で、尚かつ陽気に満ちており、正にこの音楽のようなキューバ人達の快活さが漲っており、今の暗黒日本社会においては精神的糧になります。このような自由な精神のリズムをもった音楽はネオリベラルの抑圧社会では生まれようもありません。

核平和利用という虚偽を暴く!日米原子力協定の破棄はアイゼンハワーの呪縛を解く鍵!対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
2014/8/22
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日米同盟は、日米核同盟として、アイゼンハワーの平和核利用戦略という、実は軍事核兵器を使用可能にし続けるための欺瞞であることが分かります。また、核=原子力は、冷却装置稼働における石油などの枯渇燃料の最悪の浪費であり、小泉などの偽脱原発派は石油利権の為に反原発勢力を分化させる役割で動いている事も分かります。さらに、福島では、実はサイロイド(甲状腺)系のガンが多発していますが、政府は隠蔽している事も分かります。例えるならば、日米核同盟は、全体としての日米同盟という蛸の異なった足です。核問題、原子力発電問題、日米同盟問題は全て不可分に関連しており、単に抽象的に原発に限定せず、本書のような体系的な考察が必須です。

本書の独自性を如実に示す秀逸な分析箇所の一つを以下に紹介します。そこでは、なんと原発問題、核武装問題、日米核同盟問題と日米同盟全体の重要問題の一つである独裁者安倍による集団的自衛権行使の問題が不可分のものとして体系的に見事に分析されています。また、以下の箇所から著者の思想的立場、本書の核心部分を把握できます。

「それにしても、安倍政権の押し進める解釈改憲によって日本の自立的傾向が一気に強まり、それが被爆国による独自核武装のシナリオにも発展しかねない、そんな一抹の不安がオバマ政権には残っていないか。オバマ政権一期目にホワイトハウス調整官として米国の核政策を統括したゲイリー・セイモアと2014年6月、この点を巡って意見交換した。彼は『日本の強力な反核世論』が日本の独自核武装に対する重大な歯止めになるとの見方を示し、冷戦が依然続いていたレーガン政権時代の議論が今日には必ずしも当てはまらないとの分析を披露してくれた。『集団的自衛権行使=自立化=独自核武装』という単純な方程式は今や成立し得ないので、日本の集団的自衛権行使を容認しても問題ない。むしろ日米同盟の強化につながり、そのことは財政事情が逼迫する米国の負担軽減にもつながるー。こんな盟主の算段が、オバマの集団的自衛権行使への支持表明を可能にしたのだろう。」(PP.236-237)

さらに留意すべきは、対米独立は軍国主義化を意味していないし、脱原発も、反核も直ちに対米従属を意味していないという事です。ここに、形而上学的な単純な等価方程式は成立しません。

本書は全日本国民必読の書です。