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Wednesday, November 19, 2014


パッケージを観て思わず手に取ってしまった不思議な映画2014/11/12
レビュー対象商品: 恋につきもの [DVD] (DVD)
私は、本作を鑑賞したくてかなり待った。これは、東京芸術大学映像研究科映画専攻の第八期生達の正式な劇場デビュー作であり、私の友人達も参加している。従ってそれだけで星5である。

本作を観れば、今の学生達の感覚が映画的に体感できる。なぜならば、本作のメインのクルーは、今50代のスタジオシステム時代の末期の恩恵を受け、最前線に立つフリーランスの中高年者たちではなく、全て彼ら自身の手に依る映画作品だからである。まだ、テレビ屋どもとそれに媚を売る似非映画人達の儲け主義に毒されていない、自分たちが本当に観たいと思う様なジャンル映画、純粋映画芸術を追求する姿勢は保持されているのが良い。特に第一部の「いばらのばら」は、最も映画的である。ペーシングも一番いいし、撮影も、編集もいい。二本目は一番悲惨であり、アートフィルム化している。あのカラオケの場面は、ただの歌の記録映像である。退屈極まりない。このように物語り構成を無視した肥大した細部は、構成への理解を妨げ、映画を記録に堕としてしまう。三本目は、面白いが、二本目からブラックアウトしてしばらくしてフェイドインしているのにタイトルも直にでないので、二本目の続くかと誤解する。アンソロジーの構成では、ベストセラーとなった前作の良さが失われているし、バラバラの三本となっている。芸大に限らず、学生の撮影の慢性的症状である暗闇での撮影が、露出不足になったり、グリーンスクリーン処理の不備で、バックグラウンドのプレートの映像が一面緑に偏色しているのも良くない。演技としては、女優達の演技が総じて優れて自然体である。

ちなみに、今の映像業界、映画に関しては、まず従来の映画スタジオにしてもCMを主な対象としたレンタル業が主である。さらに、特定企業への雇用形態となると弁護士の世界と類似していて、居そ弁と即独ならぬ、居そアシスタントと即独しかない。違憲である年齢差別が横行しているので、日本型雇用システムでは差別されてしまう。それから、良い映画学校とは教職員が自分の映画制作の為に学校の資源を利用しない学校である。これが分からぬ修了生が一部に見られる。

話は逸れたが、くだらぬテレビドラマよりも本作の方が100倍ましである。

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ500レビュアー)    

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