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Saturday, October 17, 2015

対米従属論の権威中西良太氏のAmazonレビューより 安易な実用主義に影に隠れた反知性主義の処方箋としての虚学の価値: 佐藤さんはいかに学び、考え、議論したのか?


安易な実用主義に影に隠れた反知性主義の処方箋としての虚学の価値: 佐藤さんはいかに学び、考え、議論したのか?,2015/10/15

本書では、神学が虚学として文系大学でも実学主義による危機に瀕して来た経緯の中で、シュライエルマハーを引用した次の指摘が本書の導きの糸になります。

佐藤さん:「国家にとって重要なのは、知や文化の質ではなく、実用的な情報や技量の量である。」というのは、近代国家の普遍的要請である。これに対して、大学が国家の狭い利害関心に従ってしまうと、中長期的に知の力が衰退してしまう。(P.6-7)

文学は、用語面での実学になりますが、神学は形而上学であり、虚学の代表です。しかし、一般には、キリスト教信仰と区別されている事は知られていません。今の国立における実用主義政策による文系の見直しは、日本の就職難と結びついたものです。そこにも必然はありますが、佐藤さんの指摘するように、反知性主義の罠も潜んでいます。

また、上記のシュライエルマハーの至言は、正に実用主義に潜む反知性主義を指摘しており、逆に知や文化を高めることと実用性の区別がなされるべきだと気づかされます。

これは、佐藤さんが本書でも強調している自分ができる事と好きな事は別であるという峻別の仕方と類似しています。

とにかく、虚学の代表格である神学が、実は虚学であるが故に、危機的な状況で役に立つということ、正に不思議な知であることを論証している点は秀逸です。

本書は、全ての佐藤ファンの必読書です!

Source: 中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ1000レビュアー)  

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