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孫崎さんのファンだけでなく、オールジャパン必読の書,
レビュー対象商品: 小説 外務省II-陰謀渦巻く中東 (単行本)
本書は、本質において正しきを堅持し、全体の真の利害を反映させた己の見解を持ち上司にも抵抗する正しい本来の組織人の姿、生き方を復活させようという宗旨に最も感慨を受けます。
次の孫崎さんの言に本書の根本思想が貫かれています。 孫崎さん:今の日本では、「インテグリティ」を保つことより、「風を読む」ことが、求められる。西京寺が外務省に入った時は、日本でも外務省でも自分の見解を持つことが重視された。(本書、p.12) 現在は、このような日和見主義と過誤も真理として受容しなければ権力や仕事から排斥されることを恐れる反知性主義が蔓延しています。この思想的病根を根絶するべく本書の作家精神が読者に訴えかけてくるのがわかります。 また、イスラム国に関する省察は極めて秀逸です。米国はアルカイダも、イスラム国も、イランも日和見主義的に、実用主義的に利用しています。カダフィ殺しのアフガン傭兵たちやフセインやビンラディンの命運にもその内在的論理は貫徹しています。 西京寺:イランが「イスラム国」と戦っても、米国が常にイランの味方をしてくれるわけではありません。ペトレイアスという人物をご存知でしょうか?元イラク駐留米軍司令官でもあった人です。一時、 CIAの長官でもありました。彼は、アフガニスタン戦争でアルカイダと戦った人物です。その彼が、最近は「イスラム国」と戦うためにアルカイダの穏健派を利用することを提案しています。 都合のいい時には利用する。都合が悪くなれば戦う。そのように利用される危険があります。(本書、p.202) これは、1979年からのアフガン戦争でアルカイダとその首領ビンラディンが利用され、911以降は捨てられた挙句、また今回アルカイダを利用しようというわけです。これが、米帝の謀略の内在的論理です。 最後に本書で最も感銘を受けた記述が以下です。 孫崎さん:民主党候補の選出過程で、ヒラリーはオバマを「無能。大統領の資格がない」と攻撃した。ヒラリーは、その「無能」のオバマの下で使えることになった。その時ヒラリーは次の言葉を発した。‘Bloom where you’re planted.’ (本書、p.268) まさに、この最後の言葉も本書のあの核心的な思想に見事に呼応しています。 本書は、全日本国民必読の書です!
Source: 中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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