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Tuesday, April 12, 2016

反ユダヤ主義も帝国主義も復権しているからこそ、マルクスも復権する!

復権するマルクス  戦争と恐慌の時代に (角川新書)
復権するマルクス 戦争と恐慌の時代に (角川新書)
的場 昭弘著
エディション: 新書
価格: ¥ 864

3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 反ユダヤ主義も帝国主義も復権しているからこそ、マルクスも復権する!2016/4/10
本書では、佐藤さんが修正主義として宇野のマルクス経済学に立脚しながら、官僚階級論、エンクロージャーが経済的な内因による変化ではなく、宗教的な外在的要因により資本主義が確立したとする説、市民社会と国家と其れらの揚棄としての共同体についてこれまでと同様に語っているのが読み取れます。

これらは、マルクス主義ではありません。

佐藤さんは、基本的に革命や史的唯物論を否定しています。

資本主義の内在的論理の理解にマルクス研究の価値を資本家と労働者の側から置いています。

佐藤さんは、社会変革に対しては、急ぎつつそれが外部からやってくるのを待つというキリスト教的待機主義です。

それに対して、的場氏は、マルクスの学説に基づいて、官僚を階級としてではなく、身分制社会の残滓として捉えていますし、エンクロージャーを経済以外の何らかの宗教的な外的衝撃とは捉えていないし、アソシアシオン、市民社会(資本主義経済)とイデオロギーとしての国家、資本主義国家全体を、パリコミューンのような共同体の概念で揚棄する可能性についての議論の新たな可能性に希望を託している点が印象に残りました。

結局は、資本が国家を支配し、国家を超越して帝国主義に転化していくことが確認され、権力を掌握する階級の内在的論理とそれによる国家の改造、市民社会と国家を止揚する共同体の概念がここで復権しています。

以下の的場氏の言葉が印象に残りました。

的場氏:地上の世界の掟は、生産と再生産の繰り返し、大地や労働への尊厳、そして平等な分配と脱成長的世界を要求しています。

そのための解決方法が、アソシアシオンという概念であったわけです。だからこそ今の時代の資本主義を超える、新しい可能性を議論する意味があるのです。

(本書、pp.310-311)

本書は、すべての佐藤ファン、的場ファンの必読書です!日本のマルクス研究にとって参考になります。

Source:中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 親米親中親露!米国至上主義!民主主義に禁句はないし、国境も文化の垣根もない!民主主義を世界へ!在日外国人への差別を止めよう!反陰謀論悪徳業者!)

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