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日本でいうエリートとは何か?またその問題とは何か?,
レビュー対象商品: 君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話 (単行本)
本書では、まず、日本的な言語環境でエリートとは、学歴(一定以上の偏差値の大学に入学できたか)と同一視されるものという定義が的確になされ、その賢い身の施し方が見事に論述されています。
また日本の大学と比較して、ロシアの大学は5年生で修士レベル論文も三つも提出しなくては卒業にならず、しかも理系文系のバランスが取れるように文系でも理系が必須になっている点も有益な比較文化論です。 以下の箇所が本書全体の思想を概括しています。 佐藤さん: モスクワ大学に入学することは東大以上に難しい。この大学を卒業すれば、アカデミズムや教育の世界では、エリートとして認知されるが、しかし、政治や経済の世界では、モスクワ大学卒業という学歴はほとんど意味をもたない。 これに対して、日本語の日常的な用法で、「あいつはエリートだからな」、「エリート意識が強い人だ」という時は、間違いなく、否定的なニュアンスがある。さらにエリートと学歴(正確にはどのレベルの偏差値の大学に入学できたかという入学歴)が、ほぼ同一視されている。それゆえに、様々な悲喜劇が起きている。 いわゆる学歴エリートになってしまった人は、社会で自らがエリートであるということを上手に隠さないと、周囲に嫉妬によってつぶされてしまうリスクがある。 (本書、p.228) この事情については、佐藤さんは山内昌之教授の以下の言を的確に引用しています。 山内さん:嫉妬を避けるのに便法はない。あまり人の嫉妬を意識しすぎると、おのずから生き方も退嬰的になってしまう。思わず知らず、事なかれ主義となり、活力も奪われてしまうのだ。大事なことは、人を言葉で刺激しないことである。いつも無口で不快な奴だと思われても、人の妬みを受けないためには、思った感想や考えをすぐには口に出さないことである。「沈黙は金なり」とは、やはり至言なのだ。前世紀のアテネ民主政の指導者ペリクレスは、民衆の癇に触りそうな発言や、自分が嫌な奴だと思われる言葉が、口から出ないように神に祈っていたと言われる。 (『嫉妬の世界』、新潮新書、2004年、p.184) 本書は、日本の今の大学受験生だけではなく、広範な学歴エリート達の指南書であり、全佐藤ファンの必読書です!
Source:中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! Keep going, comrades! 親米親中親露!米中露至上主義!民主主義に禁句はないし、国境も文化の垣根もない!民主主義を世界へ!在日外国人への差別を止めよう!反陰謀論悪徳業者!)
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