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Monday, June 9, 2014


Conspiracy Theory(共同謀議存在論)を「陰謀論」とする悪しきレッテル貼りに抗して2014/4/15
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本書の主旨は、主として米国を発源地とするConspiracy Theory(権力者共同謀議理論)という一学問を、日本での米官業政電の既得権益層による人物破壊の小道具としてのレッテルに過ぎない「陰謀論」という曲解から救い出し、日本でも秘密文書等の事実に基づく学問として発展させようという建設的な点にある。

日本の主権者国民勢力にとって、敵の慣用する「陰謀論」というレッテル貼り対策は不可欠であり、本書は其の事を念頭に置いて副島さんに依って整理執筆されており、論戦に際しての必読書となっている。

いわゆる悪しき意味での「陰謀論者」は、既得権層の操作する攪乱分子であり、真の社会科学としてのConspiracy Theoryの担い手たる主権者側の学者や記者たちの真実の論説の信頼度をアプリオリに貶めるために存在する。つまり、Conspiracy Theory(権力者共同謀議理論)とレッテルに過ぎない「陰謀論」は目的からして全くの別ものである。

副島さんは、ここで真のConspiracy Theoryの全体像を簡潔に概括して,読者に其のアウトラインを与えている。「…世界各国の公職にある者達の人事(任命)権を実質的に握ることで、諸外国をも従属させ支配できる、これが現在の世界規模での権力者共同謀議(コンスピラシー)です。」(P.51)

すなわち、米国のみならず、民主主義は実質的にはコンスピラシーの存在の為に否定され続けている。

副島さんがご紹介されているいわゆるConspiracy Theoristsの中で、まずは、アントニー・ サットンやクレオン・スクーセンらの著書が代表的である。

Conspiracy Theoristsは、同時にそれが真である限りにおいて真実言論派(truth activists)と副島さんは呼称している。

本書で幾つかの要諦を読者は押さえておくと他でも役に立てることができる。

1) Conspiracy Theory(権力者共同謀議理論)において主軸になるのは、ロスチャやロックフェラーなどによる欧米貴族、欧米大富豪による1954年以降毎年一回開催されるビルダーバーグ会議(アジア人参加不可で、ダボス会議は其の表団体)と、2012年に野田元総理も当時政権担当期間に参加した日米欧三極委員会である。正にコンスピラシーの場である。
2) ユダヤの陰謀論は、まず、ユダヤ人はセム族であり、アラブ人と同種である点を見落としてはいけないし、シオニストはユダヤ人を意味しない。排外主義が、陰謀論の形態を採る点に留意が必要である。ユダヤ人とはユダヤ教信者である。
3) 日本の二大権力者共同謀議理論の代表者は、宇野正美氏と太田竜氏である。1987年には二氏への出版妨害や言論弾圧が反ユダヤ陰謀論のユダヤ系勢力によってニューヨーク・タイムズ紙上でなされた。
4) ウィキペディアは、権力者共同謀議の産物であり、その運営団体は完全に公然の秘密のままであり、諜報機関に依る管理サイトである。匿名による陰謀めいた記述活動は、社会的に無責任且つ卑劣であり、本名による公然とした言論活動をすべきである。ウィキは、そうした本来あるべき論者の在り方を破壊してしまう。
5) いわゆる陰謀論でよく引き合いに出されるのが、18世紀欧州に誕生したフリーメーソンリーやドイツの神学者バイスハウプト教授が創始したイルミナティ運動である(どちらもより500年前のテンプル騎士団を源流とする)。前者はアメリカ独立革命やフランス革命を成功させた欧州各都市の民主的なプチブル職工/芸術家組合が原点である(例えば、モーツアルトやアメリカ建国の父達)。当時のいわゆる市民階級とは、ブルジョア階級であり、単なる都市市民の意味ではない点も要注意である。後者は、光明会運動という意味でフリーメンソンリーと組織的に同時期で同義とされている啓蒙主義運動である。現在に於ける陰謀論、ロスチャやロックフェラー財団と上述の世界史的に重要な社会運動との区別が重要である。
6) 日本のフリーメーソン的な結社は、松下政経塾や、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、青年会議所(JC)の類いである。そして、日本のフリーメーソン組織は東京メソニック協会である。
7) 危険思想とはいつの時代でも反権力の言動である。
8) 近代なるものは、ルターが33歳時に宗教会議で利子をとる商業活動(金融)を教会が承認した1517年であるとするのは妥当である。

最後に副島さんは、コンスピラシーセオリー全体を概観してこう言っている。「コンスピラシー・セオリーの重要な文献は、この50年間にほとんどアメリカ合衆国で書かれたものである。同じ内容でも日本人に書かせると、途端に知的レベルが低下して質の悪い本ができる。(中略)やはり、きちんと欧米の政治思想の古典を読んで、其の上に、ある程度のふくらましをやるのならいい。人間は、自分で自分の信用を落とすような馬鹿な本を書かない方が良い。」(P.198)

本書は主権者国民勢力必読の書です。
対米従属批判論者の中西良太さんのアマゾンレビューより    

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