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Tuesday, October 21, 2014


後進資本主義国では、一国社会主義は無理!2014/10/18
本書では、全体として後進資本主義国での孤立的な社会主義の不可能性が立証されている。ここに、永続革命論と一国社会主義反対論自体の自己矛盾が生じる。労働者と農民階級による代理の市民革命がロシア革命の本質で、彼に依るとそれに止まらずに社会主義革命に突き進むべきというのがその主張であるが、それは先進資本主義国での革命の勝利と世界経済による経済的統合と革命の全面化を経て初めて革命が成就される訳である。ロシア革命のその後の悲劇は、後者が伴わなかったことである。その齟齬に、スターリン主義が生じてきたし、トロツキーの歴史的な敗北があった。彼は、歴史的発展に即してこのことを叙述しているのが秀逸である。ちなみに余談であるが、トロツキーは官僚/公務員を階級と見なさず、労働を収奪し、資本に奉仕する資本階級の一部に位置づけている。それもプロレタリアと重なる層もあるが。官僚が、国有財産を民営化し、自身が大資本家になる崩壊過程を分析したのはトロツキーであり、それが1991年ソ連崩壊で証明された。正に、一国社会主義の過ちを言い当てた名著である。

出典元:
中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ500レビュアー)    

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