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Saturday, January 10, 2015


Thomas Piketty is Karl Marx in the Twenty-First Century!!2015/1/8
世界累進課税協定の時代:資本と所得、そして法人税のグローバル累進課税を!

タックスヘイブンで国際的な脱税を行い、国内でも法人税減税を一方的に行い、消費税増税も際限なく行うハゲタカ、シロアリ、ハイエナどもに対しては、グローバルな所得、資産のみならず法人税をしかも累進課税するのは至極当然であり、グローバル課税を行える連邦政府あるいは国際協定が必須です。

私個人は、法人税をまずグローバルに累進課税して、多国籍企業の脱税や暴利を抑制するべきだと著書を熟読して痛感しました。

ここでは、ピケティの歴史学的な手法、アプローチによる資本主義の過去200年間の経済学的研究の試みが経済学の領域で画期的です。

ピケティが当該著作で表現したいことは、不等式でいうとr>gだけで概括できます。rは、資本収益率で、資本家が投資で得る利益の総体的増加率で、 gが労働者の賃金の成長率です。資本収益率が、平均4から5%なのに、労働賃金の成長率は平均1%なのです。つまり、資本主義は本質的な格差の構造であり、それが不断に増大していく格差増大の社会システムであることが立証されています。

なんと、20世紀で格差が是正されたのは第二次大戦時に、資本階級の富が破壊され、資本家達への課税が強化された時期だけなのです。そこで、資本主義をグローバルに修正するには、国際協定、国際協調によるグローバルな所得と資産への累進課税の導入という処方箋をピケティは説いているのです。

資本家への累進課税の問題点について

今の日本にはピケティのいうような資産税がなく、相続税はあります。では、この日本へピケティの資本へのグローバルな所得と資産への累進課税を導入したらどうなるか?例えば、中小零細業者は所有する資産である高価な生産手段が、ピケティの敵である多国籍大企業より先に、累進課税の対象になると潰れてしまいます。これが苫米地さんの危惧するピケティ案の弾力性の欠如です。一律の適用は、このように問題なのです。

ピケティ案は、法人税として、法人にも適用されなくては効果を得ないのは、法人名義の節税行為が横行しているからです。

世界的累進課税協定によるグローバル課税は、金融投資資金には適用できないです。なぜなら金融投資資金はレバレッジ(テコ)であり、投資資金は元金そのままではなく、その天文学的な倍数である架空の巨費です。しかも、負債であるからです。

本書の結論としては、民主主義に隷属すべきは資本主義であり、逆ではないというピケティの考えに同意します。また、そのためには、組織票を無効にする程の高い投票率により不正選挙を打破する必要です。

Thomas Piketty is Karl Marx in the Twenty-First Century!!

本書は、ネオリベに苦しめられている全日本国民必読の書です。

付記として、以下が苫米地さんから、ピケティや、誹謗中傷を行うネトウヨ、ネオナチ集団に対する反論です。

私の著書『21世紀の資本論の問題点』http://amzn.to/14lWDcV の論点に対して、的はずれな中傷ツィートが複数拡散されている。内容が同じなので、誰か意図的に仕掛けてるよう。Amazonのレビューにも同じ書き込みがあったから確信犯のよう。大人げない。

ただ、「経済通」を装った言い方なので、現在の金融資本経済のカラクリを知らない人が、これらの誤ったつぶやきを鵜呑みにすると困るので、一応、ここに反論しておく。

彼らのツィートは、「ピケティは、資産の計算を資産から負債を引いたネットの純資産としているから、金持ちは負債額が大きいという私の批判は、当てはまらない」といっている。まずこの誤りを指摘しておく。私が批判しているのは、ピケティ教授が計算で資産から差し引きようがない、虚経済における『負債』のことであり、全く的はずれの批判であるということ。私が指摘しているのは貸借対照表(BS)に載るような負債の話ではない。世界の資産格差を増大している金融資本主義における見えない負債のことだ。もちろんこれの数十倍の見えない資産が生み出されているカラクリだ。

銀行は、準備預金制度で(BIS規制の下)、現在、負債の数倍の貸出しを出来る。もちろん信用創出された貸出し金は、自行の借り手預金口座に創出されるので、結果として貸借対照表上は同額の負債も記載される。これがリーマンショックまでの金融資本主義だ。ピケティ教授が対象としているのは、個人の資産家の話で、銀行法人の話ではないが、銀行家がこのカラクリで所得を得ている以上は考える必要がある。もちろん、銀行貸出しの場合は、負債も資産も顕在化しており、純資産は計算可能だ。

私が指摘しているのは、ピケティ教授がなぜか無視している、リーマンショック以降の現行金融資本主義のカラクリだ。つまりデリバティブ経済の話だ。デリバティブは、まず、今頃日本で流行っているREITの後に同じモーチベションで発明された。最初に有名になったのは、AIGを破綻に追い込んだCDSだろう。REITが発明されたのは古いが、拡大したのは90年代に入ってからアメリカの金融資本が、当時のBISを逃れるためであるのは幾つかの著書に書いた通り。ビルを買うのに借り手に銀行が直接融資するならBISの対象になる。ローン債権を証券化して売ってしまえば、銀行の貸借対照表から消え、規制対象にならない。それどころか、REIT会社が先に証券で資金調達してビルを買うならば、銀行でなくても出来る。REITそのものは何の信用創出もしないが、銀行が信用創出出来る枠を使わないで済むので間接的には信用創出をしている。

銀行以外がほんとうに信用創出出来てしまう走りがCDSだ。CDSは、銀行など貸し手の元本貸し倒れリスクを担保する金融派生商品だ。将来貸し倒れた時には、借り手に変わってその時に銀行に元本を代わりに返すのでリスクプレミアムを年率何パーセントで払ってくれというシステムだ。貸し手の銀行に取っては、借り手が連帯保証しただけのように見えるが、実際は金利を払うのは銀行側で、貰うのは、リスク引き受け側だ。もちろん、リスクプレミアムは、元本全体の何割のリスクを負うのか、借り手の信用状況はどうなのかで決まる。このカラクリのすごいところは、銀行がうんといえば、誰でもCDSのリスク引き受け人になれるということだ。つまり、誰でもが、銀行になれるということだ。元本の資金はなくても金利は毎年受け取れる。将来の借金(の可能性)で、資金を調達して、借り手に銀行に変わって融資していると理解すればいい。ここで信用創出が起きている。これを元本に対して何度も行われるのが、CDSだ。

実際、銀行などが、自身のリスクをめぐり巡って引き受けていた例が沢山見つかり、当時問題になった。それでAIGは破綻した。AIGのCDSのリスクプレミアムを引き上げて、ボーナスを貰う為に子会社の役員がAIG株の空売りなどをしてわざわざAIGの信用を下げていたからだ。なぜかというと、リスクプレミアムを受け取る権利だけが、社債のワラント権のように切り離されて二次デリバティブとして売られていたので、リスクが上がれば上がる程ディーラーはボーナスが入ったからだ。もちろん、この二次デリバティブが、何度も別なデリバティブと組み合わされて、一般投資家が買うのは、五次、六次などのデリバティブであるのは言うまでもない。

CDSの基本的な枠組みに戻って考えてみる。ここで、貸し倒れリスクを引き受けることで、引き受け額、つまり、想定される元本額に対して金利を受け取る権利、つまり理論上貸出し資産が創出されたが、それに対する負債はどこにあるのか? 将来、最初の借り手が破綻するならば、将来発生すると言えるが、これは可能性に過ぎず、リスク引き受け人の現在の貸借対照表には記入され得ない。というよりも、その可能性を確率方程式で何度も分散してリスクプレミアムが計算されて、高次のデリバティブが作られているので、数学上では、負債はないことになる。これが、デリバティブ経済における信用創造のカラクリだ。ピケティ教授は、この目に見えない、つまり将来顕在化する可能性はあるが、数学上、高次のデリバティブリスクプレミアムで消滅している負債のことを全く考えていない。だから、『ピケティは、「資産から負債を引いて計算」して』いないのである。

もっと正確にいえば、この見えない負債に対応する、新たに創出された貸出し元本資産は、明らかにリスクプレミアムという形で、金利を毎年生み出しているにも関わらず、貸借対照表には記載され得ないのだ。もちろん、BIS規制の対象にもならない。デリバティブはCDS以外にも無数にある。不安定な確率現象なら何でも対象になる。地球温暖化による気温変動デリバティブさえもが売られている。これが、現代金融資本主義における虚経済であり、本当の金持ちはそこにいる。

ツィートのひとつに、これは、「マイナーな」デリバティブの話に過ぎないというのがあった。これはとんでもない無知だ。世界の実経済の合計、つまり全世界のGDPの合計は数千兆円程度である。(日本は488兆円。) これに対して、デリバティブの想定元本の総計は、数京円を超える。1ドル70円台の頃の試算であり、現在では、為替と、虚経済の指数関数的増大からもっと遥かに大きいはずだが、正確に知ることは出来ない。デリバティブ経済の本体は相対(あいたい)秘密取引であり、上場市場にないので、知り得ないのだ。だが、説明したように想定元本は金利を生み出している。これが世界の所得格差の元凶だ。これらの企業の本社の多くがウォールストリートにあるので、アメリカ中から抗議のデモが集まったのだ。もちろんそれらの想定元本が生み出す金利は、GoogleやAppleなどの巨大多国籍企業に再投資されているので、こちらでも所得格差を二次的に生み出しているのは言うまでもない。だから、ある程度知識のある事業家は、自分の会社を上場したくてしょうがないのだ、特にニューヨーク証券取引所に。その最近の大型例が、中国のアリババであったことは皮肉だが。

ピケティ教授の資産累進課税の策で、このシステムから利回り所得を受けている現代金融資本家本人や、そこで働くディーラーや社員の純資産にも累進課税をかけることが出来る。ただし、この虚デリバティブ経済のカラクリそのものはそのまま温存される。目に見えない超巨大資産はそのまま増大し続けるということだ。だから、結局格差は広まり続ける。本当に知らないのか、国際金融資本を敵に回したくないからなのかは分からないが、格差の理由は所得格差ではなく資産格差であると主張するピケティ教授自身の立場に根本的に矛盾する。

それと細かいことだが、ピケティ教授は、資産の話をしている時に負債は差し引き済みであるとツィートがあった。本当だろうか?

彼らいわく、ピケティ教授の調査は、資産から負債を引いた純資産を元々データとしているという。彼らは、彼が調査対象としてるのは法人ではなく、個人だという事を知らないらしい。ご存知通り、日本と同様、欧米も、法人は、損益計算書と貸借対象表を税務申告時に提出するが、個人の納税は、損益計算書のみが提出書類で、貸借対象表は提出されない。つまり、ピケティ教授が調べたのは、金持ちの毎年の所得の推移であり、彼らのほんとうの資産や負債は元々調べようがない。これらは、教授が過去にさかのぼって調べた個人の税務申告書からは知り得ないからだ。ピケティ教授は、欧米の所得格差の歴史を調査して、長年の所得格差の結果、資産格差があると推論しているに過ぎない。

それに加えて貸借対照表を申告書類にしたとしても出てこないヨーロッパの金持ちの巨大資産がある。教授が調査対象にした期間より遥かに昔から、ヨーロッパの本当の金持ちは、巨大な領地や金銀財宝などを持っているが、それらのほんの一部を利用して彼らは収入を得ているに過ぎず、資産のほとんどは、税務申告書などで顕在化することなく、含み資産として眠っている。これがヨーロッパの強さの根底にあることは別な著書に書いた。

ただしこのことを私は問題にしているわけではない。私の反論は、世界の資産格差は、長年の所得格差の結果ではなく、稼いでいる経済空間が違うからだと主張しているのは理解されたと思う。町工場対国際金融資本の差だ。

例として、町工場の設備が社長の個人資産だとして、そこで生み出された利益に現行税制で累進課税するのみならず、その設備の現在価値にも累進課税せよというのが、ピケティ教授の方策になる。一方、借りた(信用創造された)お金を、デリバティブ空間で何倍にも膨れ上がらせても、これらは実体経済外だから資産累進課税の対象には出来ない。書いた通り、追いかけようがないからだ。CDSでは、AIGの破綻などを受けて、かつてオバマ大統領がこれをやると宣言していたが、結局あきらめている。もちろん、『資産』と言える想定元本部分ではなく、利回り部分は本来所得課税すべきだが、これは、一般の個人の話で、本当の金持ちはその利回り相当部分さえもデリバティブ空間に再投資し顕在化させない。大体デリバティブ経済においては、書いた通り、利回りではなく数学上の可能性についての確率分散リスクプレミアムであり、上場市場と違い、顕在的に配当利息収入のような計算を当てはめることは出来ない。

このように町工場で代表される実経済には、資産累進課税は、致命的な打撃を与えるが、国際金融資本のような本当の金持ちは温存される、つまり、正直者がバカを見るザル課税ということだ。一時的には税収は上がるかも知れないが、中期的には資本主義を破壊するのは本に書いた通り。私の主張を理解してくれた人は、ピケティ教授は誰の為に本を表したのだという私の疑問に賛同してくれるだろう。所得格差で悩むアメリカ人にもいいガス抜きになるが、本当の格差の元凶から目をそらす本でもある。

私の著書『21世紀の資本論の問題点』は、出た当初から、国際金融資本の虚経済のカラクリを書いたからか、「経済通」を装ったひと達から、的はずれな批判が、組織的と思われる程続いている。その人達が、外資系銀行/投資銀行、彼らのデリバティブを国内で売る日本の証券会社の関係者なのか、雇われた代理店なのかは、分からないが、利害関係者当人達が、感情的とも取れる大人げない攻撃を仕掛けてくるのは頂けない。

私は、本一冊を表してピケティ教授の提案を批判した。 その私への反論もあるならば、ツイッターなどでの単なるつぶやき感想拡散ではなく、主張を裏付けた一冊の本にして表して欲しい。そうでなくては、資産累進課税推進の人達なのか、国際金融資本傘下の銀行/証券関係者なのかは知らないが、どうしても私の本を国民に読まれたくないので、私の本を蔑むツィートをしたいのだと理解せざるを得ない。

または、日本の『経済通』は、デリバティブとレバレッジの差を本当に知らないのかも知れない。

私の批判の論旨は単純である。ピケティ教授の言う、r>g を、私は全く否定していない。それどころかピケティ教授が思っている以上に拡大していると言っているのだ。アメリカやヨーロッパで現在起きており、TPPによる金融自由化で間違いなく日本にもこれから起きる更なる経済格差の拡大。その原因が、ピケティ教授の言うような伝統的な資本収益率の話とは桁違いの、デリバティブなどの虚経済の収益率の話であるということだ。CDSの例で書いたように、ここでは資本収益率という概念さえ通用しない。なぜなら、資本ゼロで高収益を得ることが出来るからだ。これが、現在のr>gの本当のカラクリだ。リーマンショック前の全世界の金持ちの確定申告書を何百年遡っても出てくる話ではない。つまり、ピケティ教授が問題としているr>gの内因性 (inherency)が違うのだ。Inherencyが違う以上、教授の提案する資産に対する累進課税では問題は解決されないと言うのが私の著書の主張だ。

もちろん、私は資産累進課税が効果発揮するには全世界の全ての国が同時に導入しなければ意味がないとも書いた。このことはピケティ教授自身が著書(原書)で認めている。ただ、これは起き得ない。資本主義の根本を破壊する資産累進課税を全世界の国が同時に行うことは起き得ないからだ。もしも多くの国が導入したとしても、必ずそれを利用して、導入せずに全世界の資産の移行を狙う国が出てくるだろう。今なら、もしも、EUやアメリカが導入しても、ロシアやアラブ諸国が導入せずに世界の富はロシアやアラブ諸国に集まるだろう。このように全世界同時の資産累進課税は、起こり得ない。この私の根本的な批判には、ツィート中傷軍団からは一言も来ていない。解決策が問題の解決性(solvency )が持たない以上、ピケティ教授の提案は成り立たない。

更に、私は著書で、ピケティ教授が言うように資産の累進課税を個人のみに行うことも解決性がないと論駁した。なぜなら、個人が法人を作って資産を移せばいいだけだからだ。これを防ぐには、法人にも資産累進課税を導入する必要がある。そうなれば資本主義は終わりだ。町工場だけでなく、東京電力もトヨタも巨大な設備投資で収益を生んでいる。設備投資の償却残高はそのまま資産で課税対象となってしまう。そんな税制を導入した国の経済は破綻する。もしも、設備投資を資産累進課税の対象外にするなら、これは本末転倒だ。ピケティ教授自身が書いたように、設備投資がrを生み出しているからだ。この私の批判にも、ツィート軍団からの反論はゼロだ。

もちろん、上記の二つはピケティ教授自身のプランの問題解決性/solvencyのなさを指摘しているもので、私の本質的な批判は、上に書いたように内因性/inherencyの誤りである。r>gの現在の金融資本主義における根拠は、デリバティブで代表される虚経済が、労働者が参加する実経済の10倍以上の規模であることであり、これが巨大な収益をごく一部の大金持ちとその従業員に生み出していることだ。この点については、ツィート軍団はどうも理解不能なようで、全く的はずれな中傷が拡散されているのだ。

出典:http://www.tomabechi.jp/archives/51467961.html

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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