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Sunday, May 17, 2015


孫崎さんのファン待望の『戦前史/戦中史の正体』が本書です!2015/5/12
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私は、一日千秋の思いで、 日本国の対米独立と孫崎さんによる本書の発売を待ち望んでいました!本書は、日露戦争期から第二次世界大戦最中に勃発した日米戦争(大東亜戦争)開戦迄を孫崎さんが名著『戦後史の正体』と同様のスタンスで分析され、単なる過去の記録や分析ではなく、現在の「戦前」状態と先の大戦期の「戦前」とを見事に類比した正に過去の歴史を通じて、現在を論じた大著となっています。又、本書は、此れに伴い、孫崎さんによる『戦後史の正体』を補完する『戦前史/戦中史の正体』でもあり、これで孫崎さんによる「戦争史の正体」三部作は完結したのです。歴史とは戦争史であるというのが人類史の悲劇だと痛感します。

核心的問題は、当時も今も日本には勝算がないことを正確な情報により分析できていた人たちが存在したのに、意思決定者ではなく、その声も封殺される状況と、ジューコフが言った様に日本の意思決定者に無能な者が就任し、正確な情報分析と判断が下せる者が任に就けなかったことです。真珠湾攻撃は、このような非民主主義的な社会状況の結果が生んだ歴史上最悪の愚策だったのです。今の私たちにはこの面が主要です。実は、認知的不協和という点から、なぜ日本人がその破滅的な結果をよく考えればわかるのに、TPPや集団的他衛権、消費税大増税、憲法改悪などの愚策に突き進むのか?または突き進んだのか?という病理が心理学的に且つ歴史学的に析出されているのが本書です。日本人の精神分析、行動分析の歴史的大著というのが適切です。

では、なぜ孫崎さんは日本でもてはやされる実学に比して歴史を最重視されるのか?

孫崎さん:英国オックスフォード大学で最も権威のある学部が歴史学部です。

今日、歴史学に100名の教授陣を揃えています。

学部生1500名、大学院生500名、凄い規模です。

米国でも名門イェール大学の歴史学部は最も権威ある学部で、学生の15~20%が歴史を専攻します。

さらに孫崎さんは、米国歴史協会のサイトに掲載されているピーター・N・スターンズ(歴史学者。ジョージ・メイソン大学教授)の論評、「なぜ歴史を学ぶか」(Why Study History?)が一つの答えを出していると指摘。

「歴史は人間や社会がどう動くかを示す情報の倉庫である」

「人間の行動を実験するわけにはいかない。

歴史こそ実験室といえる。

歴史だけが人間、社会の行動の広範な証拠を提供してくれる」

歴史は人間社会がどう動くかを理解するために貴重なのです。

歴史は昔を知るためだけの学問ではありません。

今を理解するためです。

(中略)

なぜ今真珠湾攻撃を学びたいと思ったのか。

それは、真珠湾攻撃が日本の歴史上最大の愚策だからです。

本書を読み進めると、真珠湾攻撃がなぜ「日本の歴史上最大の愚策」であったのかが浮き彫りになる。

この歴史の真実を学ぶことは、知的欲求を満たすことを目的とするものではない。

今の日本、今の日本の愚策を理解するために、歴史を見つめることが求められているのだ。

(以上、本書より引用)

最後に教訓として孫崎さんはこう結論づけています。幾世紀も封建的な権威への盲従に馴れ、軍国主義も容認してしまい、仕事上等の権威従属の為に危険を承知で正論の重要度を低め、認知的不協和から逃避してきた精神的な隷従から脱却するために大切なことです。

孫崎さん:最後に教訓を一点挙げるとすれば、「発言すべきことを発言できる」、それを確保する社会を維持していくことだと思います。(本書、P.498)

本書は全日本国民必読の書です! 孫崎さんありがとう!全国の書店の皆様、日本の民主主義の高揚の為に本書の伝播を宜しくお願い致します!

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ500レビュアー)  

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