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Sunday, August 30, 2015

安保法制は、成立しても瑕疵が有り無効だから、騒ぐことはないという議論は、右派イデオローグの新手の詭弁です。本書は、真の安保法制批判を行います。


安保法制は、成立しても瑕疵が有り無効だから、騒ぐことはないという議論は、右派イデオローグの新手の詭弁です。本書は、真の安保法制批判を行います。2015/8/23
安保法制は、成立しても瑕疵が有り無効だから、騒ぐことはないという議論は、右派イデオローグの新手の詭弁です。本書は、真の安保法制批判を行います。

本書で私が最も感銘を受けたのは、私が地上で最も崇敬する日本最高の経済学者植草一秀さんの論考です。

特定秘密保護法が、安保法制による軍事行動の機密化に最も効果を発揮するのは間違いありません。

さらに、安保法制も、特定秘密保護法も、TPPも全てセットであるというご指摘も正鵠を射ています。しかも驚愕すべきは、2006年7月の米軍2万6千人及び武器弾薬をイラクへ輸送した秘密軍事行動を自衛隊が実施していた様に、秘密保護法がなくても、秘密軍事行動がされる現状があります。

植草さんは、前者安保法制及びそれが事後解釈で法制化する所の新ガイドラインをハードバランシングと定義し、後者TPPをその経済的、文化的補完物のソフトバランシング政策と分析されているのは殊に簡明です。

私は、安保法制を公明党支持者達が諭す様に、瑕疵があり集団的自衛権もろとも行使はできないから批判はせずとも宜しいという詭弁に警鐘を鳴らすことにも意義を見いだしています。なぜなら、反知性主義の安倍とそれの支持母体である日本会議3万5千人(国会議員の4割)は、反知性主義であり、合法性の擬制さえ成立できれば、論理的に行使できないものも合法的に行使するという芸当をやってのけるからです。ここでは、法律概念所か、知性自体が死滅しています。

私は、最も以下の部分が現状で差し迫った危機だと思います。それは、現在も検討されている徴兵制です。

植草さん:戦前に富裕層と貧困層の区別なく徴兵され、格差を忘れさせる一要因にされたことや、国民の間で政党政治への失望が広がっていたことが思い起こされます。

(本書、155ページ)

徴兵制は、違憲という安倍のウソノミクスを信じる事ができないのは、国賊安倍のTPP反対の選挙詐欺と同様です。徴兵制はナチの手口で成立します。

私は、シールズだけでなく、労働組合、そして植草さんの主催されるオールジャパン平和と共生の市民運動が、安倍政権及び日本会議を瓦解させる為に、一選挙区一反安倍候補擁立で信頼できる野党と協商、団結し対米隷属政権を転覆させる過程が進行していることに感激しております。

その理念は、憲法改正反対、原発再稼働反対、TPP反対、沖縄への米軍基地建設反対、消費税増税反対=格差是正です! 党派組織の枠ではなく、自由な市民が各政策ごとに一選挙区一反安倍候補を支持すれば政権は転覆できます!

出版社:

安全保障関連法案が日本をダメにすること間違いなし!
元陸自レンジャーが軍事・外交・憲法のプロフェッショナルに直撃!

◎私たちが反対する理由◎

<特別寄稿> 浅田次郎 「法治国家の崩壊宣言に他ならない! 」
<憲法> 小林節 「明白な憲法違反を強行する“バカの壁"」
<防衛・安全保障> 柳澤協二 「政治家に命を賭ける覚悟はあるのか」
<PKO> 伊勢崎賢治 「国際紛争の現場からほど遠い空論」
<外交> 天木直人 「対米従属からいまこそ自立すべき時」
<経済> 植草一秀 「TPPと戦争法案が結びつくと経済沈没」
<言論> 半田滋 「もはや国民に防衛情報は知らされない」
<自衛隊の現場から> 泥憲和 「売られてもいない他人の喧嘩を買う愚行」
<体験的反安保法制論> 井筒高雄 「元陸自レンジャーによる体験的反安保法制論」

本書は、全日本国民の必読書です。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ1000レビュアー)

Monday, August 24, 2015

安保法制は、成立しても瑕疵が有り無効だから、騒ぐことはないという議論は、右派イデオローグの新手の詭弁です。本書は、真の安保法制批判を行います。


安保法制は、成立しても瑕疵が有り無効だから、騒ぐことはないという議論は、右派イデオローグの新手の詭弁です。本書は、真の安保法制批判を行います。2015/8/23
安保法制は、成立しても瑕疵が有り無効だから、騒ぐことはないという議論は、右派イデオローグの新手の詭弁です。本書は、真の安保法制批判を行います。

本書で私が最も感銘を受けたのは、私が地上で最も崇敬する日本最高の経済学者植草一秀さんの論考です。

特定秘密保護法が、安保法制による軍事行動の機密化に最も効果を発揮するのは間違いありません。

さらに、安保法制も、特定秘密保護法も、TPPも全てセットであるというご指摘も正鵠を射ています。しかも驚愕すべきは、2006年7月の米軍2万6千人及び武器弾薬をイラクへ輸送した秘密軍事行動を自衛隊が実施していた様に、秘密保護法がなくても、秘密軍事行動がされる現状があります。

植草さんは、前者安保法制及びそれが事後解釈で法制化する所の新ガイドラインをハードバランシングと定義し、後者をその経済的、文化的補完物のソフトバランシング政策と分析されているのは殊に簡明です。

私は、安保法制を公明党支持者達が諭す様に、瑕疵があり集団的自衛権もろとも行使はできないから批判はせずとも宜しいという詭弁に警鐘を鳴らすことにも意義を見いだしています。なぜなら、反知性主義の安倍とそれの支持母体である日本会議3万5千人(国会議員の4割)は、反知性主義であり、合法性の擬制さえ成立できれば、論理的に行使できないものも合法的に行使するという芸当をやってのけるからです。ここでは、法律概念所か、知性自体が死滅しています。

私は、最も以下の部分が現状で差し迫った危機だと思います。それは、現在も検討されている徴兵制です。

植草さん:戦前に富裕層と貧困層の区別なく徴兵され、格差を忘れさせる一要因にされたことや、国民の間で政党政治への失望が広がっていたことが思い起こされます。

(本書、155ページ)


徴兵制は、違憲という安倍のウソノミクスを信じる事ができないのは、国賊安倍のTPP反対の選挙詐欺と同様です。徴兵制はナチの手口で成立します。

私は、シールズだけでなく、労働組合、そして植草さんの主催されるオールジャパン·平和と共生の市民運動が、安倍政権及び日本会議を誤解させる為に、一選挙区一反安倍候補擁立で信頼できる野党と協商、団結し対米隷属政権を転覆させる過程が進行していることに感激しております。

その理念は、憲法改正反対、原発最稼働反対、TPP反対、沖縄への小基地建設反対、消費税増税反対=格差是正です! 党派組織の枠ではなく、自由な市民が各政策ごとに一選挙区一反安倍候補を支持すれば政権は転覆できます!


出版社:

安全保障関連法案が日本をダメにすること間違いなし!
元陸自レンジャーが軍事・外交・憲法のプロフェッショナルに直撃!

◎私たちが反対する理由◎

<特別寄稿> 浅田次郎 「法治国家の崩壊宣言に他ならない! 」
<憲法> 小林節 「明白な憲法違反を強行する“バカの壁"」
<防衛・安全保障> 柳澤協二 「政治家に命を賭ける覚悟はあるのか」
<PKO> 伊勢崎賢治 「国際紛争の現場からほど遠い空論」
<外交> 天木直人 「対米従属からいまこそ自立すべき時」
<経済> 植草一秀 「TPPと戦争法案が結びつくと経済沈没」
<言論> 半田滋 「もはや国民に防衛情報は知らされない」
<自衛隊の現場から> 泥憲和 「売られてもいない他人の喧嘩を買う愚行」
<体験的反安保法制論> 井筒高雄 「元陸自レンジャーによる体験的反安保法制論」

本書は、全日本国民の必読書です。

Cited:
中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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21世紀の昭和史論:今夏最良の戦後史再考の書!


21世紀の昭和史論:今夏最良の戦後史再考の書!2015/8/19
私は、日本の真に民主的な論客達が一同に介した本書を感激しながら読破しています。

中でも佐藤優さんの論考は、私の目当てであり、彼がイスラム国と226事件のファシスト似非革命の内在的論理、つまり本質に論及している以下の箇所に殊に感銘を受けました。

佐藤さん:あの戦争に敗北した後、合理主義、個人主義、生命至上主義が、日本人の支配的思想になった。それだからといって、滅私奉公の思想が途絶えてしまった訳ではない。人間は、自己犠牲を厭わない人に魅力を感じる。大義に殉じるという思想は強い感染力をもつ。そういう人は、自分の価値観や基準を他人に強要する傾向がある。その結果、社会と国家に大きな悲喜劇をもたらすことがある。226事件から学ばなくてはならないのは、この悲喜劇性だ。

(本書、109ページ)

ちなみに、佐藤さんは226事件もファシストの対抗革命(反動)であると正しく分析された上で、その精神的な病理に迄深い洞察を示しています。また、佐藤さんが魅力的なのも外務省時代の以前の彼の様に、今でも自己否定しはしても、やはり愛国の大義に殉じる人だからです。保阪氏は、自民の左派に近い思想で孫崎さんよりも遥かに自民の考え方に接近しているし、他は、特筆すべきものは、特にないです。

本書は、戦後70周年の最高の豪華対談及び秀逸な論考の集成でもあります!お薦めです!

警告:8月1日より正常なレビューに対して工作票を入れるネトウヨによる不当な荒らしは、警察当局に厳正に通報します。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Friday, August 21, 2015

昭和天皇の正体:昭和天皇裕仁の築いた戦後対米隷従体制


昭和天皇の正体:昭和天皇裕仁の築いた戦後対米隷従体制2015/7/29
戦後70周年である今年も、未だ日本は真に独立していません。誰がこのような歪な体制を構築したのでしょうか? その答えが本書にあります。未だに歴史認識問題を日本が引きずるのは、昭和天皇が戦争責任をとらずに、正式に世界に謝罪や反省をすることがなく、退位により戦後と一線を画す事なく、米軍に継続占領を依頼し、マッカーサーとダレスが了承し、国体と安保、九条と米軍が、米軍の恩恵という論理で併存してしまう事態となったためです。日中戦争の推進派の吉田茂は、後年捏造された彼のイメージの様に自主独立などではなく、さんざん安保交渉から逃避したあげく、最後は昭和天皇の対米従属路線に追随しました。

皇統の危機の事態の深刻さにおいて、立憲君主や専制君主として戦前戦後も振る舞った最高権力者の昭和天皇が、軍部クーデターを常に恐れ戦争反対しなかったために、第二次大戦で310万人の日本人が犠牲になりました。しかし、今も昔も戦後日本は政治的責任をとるべき政治的中枢が欠落している在日米軍に守られた官僚主義体制です。

昭和天皇の戦後外交は違憲と言えます。

以下は、タブーとなっている諸事実です。

昭和天皇の自発的な意向で行われた沖縄処分(本土と沖縄の構造的差別)も、重光に在日米軍撤退反対の指示を出して構築した従米安保体制(米占領軍による巧妙な日本統治の占領体制の継続)、米軍の日本占領に協力することで、東京裁判を免れ、忠臣東条に全責任を負わせ(米側が東条に証言を指示)、日本国憲法(天皇が保証する民主主義体制)では天皇制(国体)を温存させ、裕仁は広島や長崎原爆に就いては「やむをえない」と発言した。さらに、朝鮮戦争では米軍のリッジウェイに原爆使用を催促し、対中ソ包囲網や価値観外交を米側に提案した。すなわち、裕仁においては、違憲か否か、戦争か平和かよりも主権や沖縄よりも皇統の護持が全てでした。これが、彼の戦前、戦中、戦後を貫く一貫した論理です。

これらはすべて、敗戦国の元首としては類をみない歴史的事例であり、豊下さんにより、新旧資料を基にした実証的作業により論証されています。

以下は詳論です。

1、昭和天皇及び皇族は、日本国憲法の支持者か?

答:裕仁は占領軍の日本占領に協力する代償に、天皇制を日本国憲法に維持できたので、それだけでも連合軍に心から感謝した。安倍とは正反対である。

天皇はマッカーサーに対し、この度成立する憲法により民主的新日本建設の基礎が確立された旨の御認識を示され、憲法改正に際しての最高司令官の指導に感謝の意を示される。(p.vii)

2、昭和天皇は、東京裁判の支持者か?

答:裕仁は、東条非難をイギリス国王や米国紙等に於いて行い、全責任を東条に押し付け、東京裁判を免訴された。そして、連合軍に東京裁判について熱く謝意を表明した。安倍とは正反対である。

裕仁(マ元帥に対し):戦争裁判(東京裁判)に対して貴司令官が執られた態度に付此機会に謝意を表明したいと思います。(p.viii)

3、昭和天皇は、靖国神社参拝の支持者か?

答:裕仁は、1978年に元宮内大臣の松平慶民の息子永芳が、靖国神社の宮司として戦犯を、日本精神復興のために東京裁判を否定するという主旨で合祀した際に、これを厳しく非難し、以降天皇家は正しくも参拝を拒否し続けている。

裕仁:親の心子知らず。

また1987年には、裕仁はこう語っている。

裕仁:この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし。

(p.ix)

4、昭和天皇は、米軍占領体制の継続となる安保体制(戦後対米隷属体制)の構築者か?

答:裕仁は、日本側から米軍の継続占領をオファーし、最終的にマ元帥もダレスもこの案に乗り、沖縄処分がなされ、当初の五分五分の論理での対等な協定の交渉は裕仁が占領継続を熱望した為に早々に頓挫し、米軍の占領がこともあろうに米軍の恩恵という形で交渉に入り、結果、全負担が日本に強いられることになり、今に至る。裕仁にとって、米軍継続占領は天皇制護持の手段だった。

ダレス特使は、(日米)二国間協定について、日本の要請に基づき米国軍隊は日本とその周辺に駐留するであろうと述べた。この説明に応えて、皇帝(昭和天皇)は全面的な同意を表明した。

(p.x)

5、昭和天皇は、軍国主義者か?それとも九条擁護か?

答:裕仁は、1975年においても軍国主義の復活を否定し、憲法でそれが禁じられているからだと安心している。皇族は、この点で正しい。

外国人特派員:日本が再び軍国主義の道を歩む可能性があるとお考えですか?

裕仁:いいえ。私はその可能性については、全く懸念していません。

それは憲法で禁じられているからです。

(p.243)

結論として、天皇家の保守の立場とは、反軍国主義、九条及び日本国憲法擁護、ポツダム宣言に基づく東京裁判承認、靖国合祀問題反対なのであり、右派を自称する安倍一派の立場とは対局にある。

最後に、著者は日本の対米独立の方図を示している。

それは、自主憲法や集団的自衛権、国防軍を設けても、政権交代でまず日米地位協定を破棄し、国体安保体制を支える統治行為論という判例法理、そしてそれに守られた密約体系の廃棄である。これらに、着手せずに対米独立は達成されず、米軍の日本占領は継続したままである。

本書は、全ての日本国民必読の書です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ1000レビュアー)   

外交とは「異なる価値観と利益の調整」、そして交渉における勝利の概念はいかに相手から奪うかではなく「いかにして相手の信用を勝ち取るか」につきる


外交とは「異なる価値観と利益の調整」、そして交渉における勝利の概念はいかに相手から奪うかではなく「いかにして相手の信用を勝ち取るか」につきる2015/8/21
本書は、日本最高の外交の権威である孫崎さんの名著です。対米独立は、日本人一人一人の自主独立によるしか他に道はありません。孫崎さん、創元社さん、素敵な本をありがとうございます。

出版社:

外交とは「異なる価値観と利益の調整」、そして交渉における勝利の概念はいかに相手から奪うかではなく「いかにして相手の信用を勝ち取るか」につきる。

外交の修羅場をくぐり抜けてきた著者自身の豊富な実務経験から、日本外交の背後にあるものを探り、その本質を見極めた斬新な一冊。

第2回山本七平賞受賞作品が、新たな装いで復刊。危機と混乱の渦中にある日本再生の戦略とは何か。

「自立した日本」への道筋が明らかになる。

私個人としては、仕事に応用できる以下の言葉が殊に印象に残る。

孫崎さん: 情報を取るにしても、ある交渉を成功させるにしても、最終的に一番大事な事は、いかにして相手の信用を勝ち取るかという事だ。(p.295)

これこそ、諜報に限らず仕事一般の法則であるが、騙すという事を意味しない。また、同僚間でも同程度にあるいは、それ以上に重要です。

本書は、全日本国民の必読書です。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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反知性主義とネオリベは、リアル書店だけでなく書籍文化をも破壊する!


反知性主義とネオリベは、リアル書店だけでなく書籍文化をも破壊する!2015/8/20
今の日本の大問題は、一言で言うとネオリベであり、思想面では反知性主義と全体的に規定する事ができます。

そこで、お薦めなのは、佐藤さんによる反知性主義に関する講座と堤さんによるネオリベに関する講座です。

本書では、最低限この両者の講座を熟読すれば今の日本の社会問題の全体が掴めます。

本書は、全日本国民必読の書です!

Cited:
中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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21世紀の昭和史論:今夏最良の戦後史再考の書!


21世紀の昭和史論:今夏最良の戦後史再考の書!2015/8/19
私は、日本の真に民主的な論客達が一同に介した本書を感激しながら読破しています。

中でも佐藤優さんの論考は、私の目当てであり、彼がイスラム国と226事件のファシスト似非革命の内在的論理、つまり本質に論及している以下の箇所に殊に感銘を受けました。

佐藤さん:あの戦争に敗北した後、合理主義、個人主義、生命至上主義が、日本人の支配的思想になった。それだからといって、滅私奉公の思想が途絶えてしまった訳ではない。人間は、自己犠牲を厭わない人に魅力を感じる。大義に殉じるという思想は強い感染力をもつ。そういう人は、自分の価値観や基準を他人に強要する傾向がある。その結果、社会と国家に大きな悲喜劇をもたらすことがある。226事件から学ばなくてはならないのは、この悲喜劇性だ。

(本書、109ページ)

ちなみに、佐藤さんは226事件もファシストの対抗革命(反動)であると正しく分析された上で、その精神的な病理に迄深い洞察を示しています。また、佐藤さんが魅力的なのも外務省時代の以前の彼の様に、今でも自己否定しはしても、やはり愛国の大義に殉じる人だからです。保坂氏は、自民の左派に近い思想で孫崎さんよりも遥かに自民の考え方に接近しているし、他は、特筆すべきものは、特にないです。

本書は、戦後70周年の最高の豪華対談及び秀逸な論考の集成でもあります!お薦めです!

警告:8月1日より正常なレビューに対して工作票を入れるネトウヨによる不当な荒らしは、警察当局に厳正に通報します。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Tuesday, August 18, 2015

21世紀の昭和史論!



大人のための昭和史入門 (文春新書)書評



私は、日本の真に民主的な論客達が一同に介した本書を感激しながら読破しています。

中でも佐藤優さんの論考は、私の目当てであり、彼がイスラム国と226事件のファシスト似非革命の内在的論理、つまり本質に論及している以下の箇所に殊に感銘を受けました。

佐藤さん:あの戦争に敗北した後、合理主義、個人主義、生命至上主義が、日本人の支配的思想になった。それだからといって、滅私奉公の思想が途絶えてしまった訳ではない。人間は、自己犠牲を厭わない人に魅力を感じる。大義に殉じるという思想は強い感染力をもつ。そういう人は、自分の価値観や基準を他人に強要する傾向がある。その結果、社会と国家に大きな悲喜劇をもたらすことがある。226事件から学ばなくてはならないのは、この悲喜劇性だ。

(本書、109ページ)

ちなみに、佐藤さんは226事件もファシストの対抗革命(反動)であると正しく分析された上で、その精神的な病理に迄深い洞察を示しています。また、佐藤さんが魅力的なのも大義に殉じる人だからです。

本書は、戦後70周年の最高の豪華対談及び秀逸な論考の集成でもあります!お薦めです!

出典:アマゾン

対米従属論の権威中西良太氏のAmazonレビューより:シャツでも欲しいくらいのデザインです!


シャツでも欲しいくらいのデザインです!2015/8/17
Amazonで購入(詳細)
本製品は、TPU素材で弾力性もあり、且つ破れにくさがあります。しかも、アダプターも充電器もケーブルも装着したまま接続可能というのは、便利さで抜群です。

しかし、なんといっても私が此れを選んだのは、そのデザインの格好良さです!私は髑髏も米国も衣服や装飾では大好きだからです!

とにかく、シャツでも欲しいくらいのデザインです!

あと注意したいのが対応機種です。

対応機種:iPhone6 4.7インチ

是非、iPhone6プラス版も制作して下さい!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Sunday, August 16, 2015

アフリカの革命家カダフィ大佐の卓越した外交手腕が最晩年まで見事に概括された傑作フランス製ドキュメンタリー!


アフリカの革命家カダフィ大佐の卓越した外交手腕が最晩年まで見事に概括された傑作フランス製ドキュメンタリー,2015/8/16
Amazonで購入(詳細)
レビュー対象商品: 最愛の敵 カダフィ [DVD] (DVD)
私は、敗戦記念日に本作を鑑賞しました。本作は、原語は英語で、フランス製のドキュメンタリーを日本版制作会社のNHKエンタープライズが、リビア内戦に合わせて反カダフィの喧伝用として放送したものです。

ナレーションが全て日本語になっており、途中2回程解説員の出川が、カダフィ大佐を独裁者呼ばわりし、リビアの国民の長年の政権への不満とか、革命をクーデター呼ばわりとか、カダフィ氏をテロリスト呼ばわりして世論誘導しています。ところが、当のオリジナルのドキュメンタリーでは、ちゃんとカダフィを政敵の視座からその卓越した政治手腕で、連合国=国連から制裁され、しかも世界ののけ者に英米の策略でされてきた過去を逆転し、油田開発でかつて放逐した英米企業を再誘致し、大量破壊兵器開発放棄表明等をする譲歩過程で、徐々にフランスもその他欧州各国を取り込んで、連合国に迎えられ、制裁解除まで達成し、しかも国連=連合国本部でオバマの次に演説する絶好の機会を捉え、積年の恥辱への報復演説を行い、国連憲章を破った抗議まで、彼の外交的努力の一貫性が明白になりました。

しかし、基本は反カダフィの側のプロパガンダですので、肝心のリビア人民の生活模様やインタビューは一切ないです。リビア内戦時の外部注入された傭兵連中のやらせの反対デモの静止画像しかないです。しかし、米国の諜報機関も、それまでリビアでは人民の側の不満がなかったから、カダフィ政権が安定して運営されて来た事を客観的に指摘しています。これは、従米偽造報道のNHKの加工とも矛盾しています。また、カダフィが政権維持の為に欧米の犬になってまで、何を犠牲にしても維持しようとしたといいますが、それが最も良く妥当するのは、裕仁です。

とにかく、カダフィが国連憲章を破り捨てるシーンでは、感動して思わず狂喜の念を禁じ得ませんでした。なぜなら、それが対米独立の本来の強靭な自主独立の精神の発露だからです。連合国の本部で、連合国をここまで批判できたのはゲバラぐらいです。
可笑しいのは、本来東京裁判史観やポツダム宣言を否定する自称右翼は、こうした本来の右翼の立場を連合国と一緒に非難するのです。そして、連中はロシアやアメリカのような強国が怖いから、弱いと観る中国や韓国へのヘイトしかしません。似非右翼の論理的破綻は、カダフィへの反応から観ても実に甚だしい矛盾に満ちているのです。

本作は、出川の要らぬ解説を抜きにすれば、オリジナル本編は全て必見です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Friday, August 14, 2015

祝連合軍反ファシスト戦争70周年記念!ネトウヨ総理安倍晋三と脳なしネトウヨ国賊害虫に犯されている日本!


祝連合軍反ファシスト戦争70周年記念!ネトウヨ総理安倍晋三と脳なしネトウヨ国賊害虫に犯されている日本!,2015/8/15
Amazonで購入(詳細)
本書を熟読すれば、安倍自身が如何に姑息にネットを監視し、日本国民に対して偽名多重アカウントを使いヘイトを行っている実態が分かりました。

安倍は、左翼という言葉と売国という言葉を反知性的=馬鹿的に同義化する傾向があり、自ら手を下さず脳なしのヘイト連中を煽ることで、反対者に嫌がらせをすることしかできない。正に、安倍は国賊害虫である。

ネトウヨ連中も、日本人へのヘイトを繰り返しているが、米軍基地当たりの偽日本人のユーザーも多い。ネトウヨは、反知性=バカであり、卑劣奸である。そして、ネトウヨにできることはお下劣なヘイトクライムだけである。
もちろん、ネトウヨは無責任なヘイト害虫であり、本物の崇敬すべき愛国、保守、右翼ですらない。

本書では、そのように詳細にネトウヨという精神衛生上の悪疫の解明がなされています。

本書は、全日本国民必読の書です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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8.15反ブラック企業戦争勝利記念!ブラック企業共同テレビに依る免罪符としての偽善的映画ゴミ特集番組!


ブラック企業共同テレビに依る免罪符としての偽善的映画ゴミ:この残業代不払いのブラック企業共謀テレビ自体を描いてほしかった!2015/6/27
この映画ゴミは、ゴミクズです。狂テレという大手退廃ブラック企業に依るブラック企業の為の免罪符です。

凶テレ労働者:ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない。

インタビュー記者:業務委託の労働者という違法労務形態では、バイク便労働者達と同じ使い潰しですからね。

狂テレ労働者:そんなところが、こんな映画を撮ったって説得力ないね。ただのブラックさんの免罪だね。

インタビュー記者:そうだね。だからきゃつら自体もクズなのです。最近残業代不払いで摘発されましたね。違法だから自業自得です。

本作は、敗北したブラック凶テレのクズどもによるゴミ映像、映像ゴミです。AD達及びテレビ映像界で違法なブラックな劣悪な労働環境を強いられている方たちは、このように立ち上がって抵抗しないからいつまでも泣き寝入り者が減らないのです。残業代不払いで、その違法な雇用形態(業務委託の労働者なる手口)は、告発摘発できます。2015年、中西氏は最大手のテレビプロダクションを打倒しました!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Wednesday, August 12, 2015

連合国の記念すべき反ファシスト戦争70周年勝利記念前に


レビュー対象商品: 戦後70年記念企画 半藤一利・佐藤優 初対談 あの戦争を知るために今こそ読むべき本はこれだ! 【文春e-Books】 (Kindle版)

私は、早速購読してみて、70年前の敗戦について、連合国の記念すべき反ファシスト戦争70周年勝利記念前に考えてみました。

殊に大和の特攻と沖縄の特攻は、本土と沖縄の連帯の証であり、どちらも捨て石だったという佐藤さんの類比は最も秀逸です!

戦艦大和は沖縄の助けに来たのではなく、また沖縄だけが捨て石だったのではなく、なんと戦艦大和自身も捨て石でした! これは、凄まじいオチ、敗戦時の最悪の皮肉です!!ここまで腐敗していた軍国主義!!裕仁よ、朕は大和をおもひては、うれいはふかしなり。

佐藤さん:沖縄戦自体が時間稼ぎの為だったんですが、捨て石になったのは沖縄だけでなく、戦艦大和も捨て石だと。沖縄人にとっては沖縄の運命と大和の運命がアナロジカルになって、大和=本土と沖縄の一体性が浮かぶ訳です。

(キンドル版より引用)

沖縄人が当時期待した本土の助けである巨砲大艦主義の遺物戦艦大和が、実はヤマト自体も捨て石だったという歴史の衝撃は我々に当時の軍国主義政府の罪悪の深さを体感させます。

本誌は、全日本国民の必読書です!

Cited:
中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Tuesday, August 11, 2015

21世紀の民主主義論:真の民主主義とは、人民の権力のことであって、人民の代表が人民に代わって権力を行使することではない!


21世紀の民主主義論:真の民主主義とは、人民の権力のことであって、人民の代表が人民に代わって権力を行使することではない!2015/8/10
レビュー対象商品: 緑の書 (単行本)
アフリカを代表する対米独立闘争の鏡としてのカダフィ大佐は、本書で直接民主制とは元首の直接選挙のことではないことを指摘しています。

真の民主主義とは、代表制ではなく、投票制は、各個人の民主主義的権利の放棄であり、政党による代行であれ、個人の執政者によるものであれ、特定の民族によるものであれ、階級によるものであれ、宗教による統治であれ、全て独裁であると正確に主張しています。
民主主義とは、全ての人民に依る人民の直接的な権利行使であり、代表という一部の人民に他者が己の人民の権利を投票という形で放棄するものではありません。代議制も、代表制も独裁制です!

カダフィ大佐:民主主義とは、人民の権力のことであって、人民の代表が人民に代わって権力を行使することではない。(中略)人民の代表と言うのはありえない。(中略)代表とはペテンである。(中略)史上最悪の独裁制でさえ、議会を通じてしゅつげんしたのであった。(pp.10-13)

カダフィ大佐により、ここではいわゆるブルジョア民主主義やスターリニズムの虚構性が首尾一貫して否定されています。一党制も多党制も全て独裁制で、投票に依る代表制自体も独裁であるという指摘はブルジョア教育下で逆立ちさせられている真実です。投票だから、民主主義ではないのです。 代表とは、他者の権利の剥奪であり、独占、独裁であるというのは極めて重要な観点です。

彼がマルクスと違うのは、階級闘争も、不断に権力機構内で対立構造自体が別の形態で再生産されて際限がないということです。彼は、これらを全て統治機構を巡る問題として捉え、各産業の中間団体を包括し、あらゆる職業団体から構成される人民会議と各地の人民委員会を通じた直接民主制を説いています。

カダフィ大佐:民主主義とは人民が政治をコントロールすることであるというような時代遅れの認識に終止符が打たれ、民主主義とは、人民が自らをコントロールすることであるという正しい認識がそれに取って代わるのである。(p.29)

さらに、カダフィ大佐はソ連型社会主義の欺瞞を指摘して、仮令、所有形態が官僚制下の労働になっても、賃金労働に代わらず、労働者達が官僚支配下で自らの権利を剥奪されているならば、資本家の下の隷従状態と同じであると指摘しています。労働者に依る生産の自己管理こそが真の民主主義的な前進です。

カダフィ大佐は、人間の顔をした社会をこう定義しています。

そうした社会の実現は、人間の物質的必要性が他者の支配や管理に妨げられずに充足する時、可能となるのである。必要の充足は、他人を搾取したり、隷属させたりすることによって達成されてはならない。(p.57)

リビアの英雄カダフィ大佐は、ここで正論を展開しており、資本主義を超える思想的な水準は極めて高いです。

本書は私の心の書であり、ブルジョア民主主義とは別に、真の民主主義とは何かを考察する上で必読です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Sunday, August 9, 2015

戦争イデオロギーの正体:国家に戦争へ駆り出されないための日本国民の必読書!


戦争イデオロギーの正体:国家に戦争へ駆り出されないための日本国民の必読書!2015/8/8
レビュー対象商品: 国家のエゴ (朝日新書) (新書)
戦後70周年で、反知性主義の安倍政権は、集団的自衛権閣議決定も、安保法制も、特定秘密保護法も日本版NSC(戦争決定機関)の補完物、付録、附則的なものとして準備してきたが、専守防衛以外の侵略的戦争発動機能の現状での要は他ならぬ、日本版NSC設置法である点が正確に指摘されています。

本書では、佐藤さんは軍国主義の特攻や玉砕のイデオローグとなった田辺元を批判的に超克しています。そして、二つの重要な問いをこの度戦争に就いて正面から真剣に考える柱としています。また、日本国民は教育上、無知にされてきた重要な法概念が、戦時国際法です。そこでは、戦闘員以外への市民への攻撃は禁止されています。しかし、第二次世界大戦では連合国も非戦闘員の無差別殺戮を繰り広げ、未だ糾弾されていません。この点から観ると帝国主義の連合国側の非も明白に理解できます。

一つ目の問いとは、日本で戦争をすることを決めるのは誰か?

此れは、佐藤さんによるとずばり、日本版国家安全保障会議です。戦争をするか否か、勿論侵攻も含めてですが、この決定権は彼らが掌握する体制が成立しています。しかし、実際は有事では米軍太平洋艦隊司令官の指揮下に日本は入り、その傭兵として動きます。

二つ目の問題は、戦争に国民を駆り立てる国家という名の官僚制機構(ブルジョア社会では、ブルジョアジーの行政機構)が利用するのが、死者との連帯の思考です。これは、特定の愛する個人や家族の死者というよりも、歴史修正主義の反知性的な政治家達の靖国参拝に代表される様な戦没した不特定多数の英霊全体なるものとの連帯感、大いなる民族的価値との自分の連帯に死を超えた価値を観る観点です。例えば、日中戦争を継続させたのは、不特定の戦没者の存在、それらとの連帯を口実にした東条でした。敗戦時の阿南も同様の論理で、講和反対を貫こうとしました。特定の愛する家族ではなく、不特定の観念としての死者や国体や神といった抽象の為の戦争肯定という価値観の操作がありました。

佐藤さん:国民を兵士として、あるいは戦争支持者として動員するには、人間の精神にどのような働きかけを行うのか? (中略)

国家や歴史、救済といった“大いなるもの”と死者とを結びつける方向で、「死者との連帯」を行うと、人を殺す事に抵抗を覚えなくなるような思想を生み出す場合がある。(92-93ページ)

佐藤さんは、戦中の倫理学の権威であった田辺元の哲学がこうした戦時精神発揚のイデオロギーであると鋭利に指摘され、田辺自身の言を引用して、間違いであると否定しています。正にその通りです。彼は、民族国体の永久性を説いて、その大いなるもののための個人の死に価値を見いだしました。しかし、田辺自身は学生達に玉砕特攻の大義を説いていながら、当時の各国大使館が避難していた安全地帯である軽井沢に逃避しました。これが、そのような戦争イデオロギーの正体(歴史的現実)なのです。

一点同意できないのは、佐藤さんがイスラム国へのイラク、シリアを跨ぐほぼ全土を米軍が爆撃しているのに、市民の犠牲を厭わないとしている箇所です。これは、NYタイムズ紙でも爆撃箇所は時系列で纏められているので酷さが参照できます。

本書は、戦後70年のこの夏に戦争を真剣に考える全日本国民の必読書です。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Saturday, August 8, 2015

戦争イデオロギーの正体:国家に戦争へ駆り出されないための日本国民の必読書!


戦争イデオロギーの正体:国家に戦争へ駆り出されないための日本国民の必読書!2015/8/8
レビュー対象商品: 国家のエゴ (朝日新書) (新書)
戦後70周年で、反知性主義の安倍政権は、集団的自衛権(実際は、日本の個別的自衛権の範疇の言い換え)閣議決定も、安保法制(実際は、集団的自衛権がこうしできない仕掛けがされている閣議決定をもって、それを行使できる法制を議論している)も、特定秘密保護法(治安維持法よりも、軍旗保護法や国防保安法の系譜にある。特定官僚に依る情報独占が問題)も日本版NSC(戦争決定機関)の附則として準備してきたが、専守防衛以外の侵略的戦争実行可能な要点は他ならぬ、日本版NSC設置法である点が正確に指摘されています。

本書では、佐藤さんは軍国主義の特攻や玉砕のイデオローグとなった田辺元を批判的に超克しています。そして、二つの重要な問いをこの度戦争に就いて正面から真剣に考える柱としています。また、日本国民は教育上、無知にされてきた重要な法概念が、戦時国際法です。そこでは、戦闘員以外への市民への攻撃は禁止されています。しかし、第二次世界大戦では連合国も非戦闘員の無差別殺戮を繰り広げ、未だ糾弾されていません。この点から観ると帝国主義の連合国側の非も明白に理解できます。

一つ目の問いとは、日本で戦争をすることを決めるのは誰か?

此れは、佐藤さんによるとずばり、日本版国家安全保障会議です。戦争をするか否か、勿論侵攻も含めてですが、この決定権は彼らが掌握する体制が成立しています。しかし、実際は有事では米軍太平洋艦隊司令官の指揮下に日本は入り、その傭兵として動きます。

二つ目の問題は、戦争に国民を駆り立てる国家という名の官僚制機構(ブルジョア社会では、ブルジョアジーの行政機構)が利用するのが、死者との連帯の思考です。これは、特定の愛する個人や家族の死者というよりも、歴史修正主義の反知性的な政治家達の靖国参拝に代表される様な戦没した不特定多数の英霊全体なるものとの連帯感、大いなる民族的価値との自分の連帯に死を超えた価値を観る観点です。例えば、日中戦争を継続させたのは、不特定の戦没者の存在、それらとの連帯を口実にした東条でした。敗戦時の阿南も同様の論理で、講和反対を貫こうとしました。特定の愛する家族ではなく、不特定の観念としての死者や国体や神といった抽象の為の戦争肯定という価値観の操作がありました。

佐藤さん:国民を兵士として、あるいは戦争支持者として動員するには、人間の精神にどのような働きかけを行うのか? (中略)

国家や歴史、救済といった“大いなるもの”と死者とを結びつける方向で、「死者との連帯」を行うと、人を殺す事に抵抗を覚えなくなるような思想を生み出す場合がある。(92-93ページ)

佐藤さんは、戦中の倫理学の権威であった田辺元の哲学がこうした戦時精神発揚のイデオロギーであると鋭利に指摘され、田辺自身の言を引用して、間違いであると否定しています。正にその通りです。彼は、民族国体の永久性を説いて、その大いなるもののための個人の死に価値を見いだしました。しかし、田辺自身は学生達に玉砕特攻の大義を説いていながら、当時の各国大使館が避難していた安全地帯である軽井沢に逃避しました。これが、そのような戦争イデオロギーの正体(歴史的現実)なのです。

本書は、戦後70年のこの夏に戦争を真剣に考える全日本国民の必読書です。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Friday, August 7, 2015

昭和天皇の正体:昭和天皇裕仁の築いた戦後対米隷従体制


昭和天皇の正体:昭和天皇裕仁の築いた戦後対米隷従体制2015/7/29
戦後70周年である今年も、未だ日本は真に独立していません。誰がこのような歪な体制を構築したのでしょうか? その答えが本書にあります。未だに歴史認識問題を日本が引きずるのは、昭和天皇が戦争責任をとらずに、正式に世界に謝罪や反省をすることがなく、退位により戦後と一線を画す事なく、米軍に継続占領を依頼し、マッカーサーとダレスが了承し、国体と安保、九条と米軍が、米軍の恩恵という論理で併存してしまう事態となったためです。日中戦争の推進派の吉田茂は、後年捏造された彼のイメージの様に自主独立などではなく、さんざん安保交渉から逃避したあげく、最後は昭和天皇の対米従属路線に追随しました。

皇統の危機の事態の深刻さにおいて、立憲君主や専制君主として戦前戦後も振る舞った最高権力者の昭和天皇が、軍部クーデターを常に恐れ戦争反対しなかったために、第二次大戦で310万人の日本人が犠牲になりました。しかし、今も昔も戦後日本は政治的責任をとるべき政治的中枢が欠落している在日米軍に守られた官僚主義体制です。

昭和天皇の戦後外交は違憲と言えます。

以下は、タブーとなっている諸事実です。

昭和天皇の自発的な意向で行われた沖縄処分(本土と沖縄の構造的差別)も、重光に在日米軍撤退反対の指示を出して構築した従米安保体制(米占領軍による巧妙な日本統治の占領体制の継続)、米軍の日本占領に協力することで、東京裁判を免れ、忠臣東条に全責任を負わせ(米側が東条に証言を指示)、日本国憲法(天皇が保証する民主主義体制)では天皇制(国体)を温存させ、裕仁は広島や長崎原爆に就いては「やむをえない」と発言した。さらに、朝鮮戦争では米軍のリッジウェイに原爆使用を催促し、対中ソ包囲網や価値観外交を米側に提案した。すなわち、裕仁においては、違憲か否か、戦争か平和かよりも主権や沖縄よりも皇統の護持が全てでした。これが、彼の戦前、戦中、戦後を貫く一貫した論理です。

これらはすべて、敗戦国の元首としては類をみない歴史的事例であり、豊下さんにより、新旧資料を基にした実証的作業により論証されています。

以下は詳論です。

1、昭和天皇及び皇族は、日本国憲法の支持者か?

答:裕仁は占領軍の日本占領に協力する代償に、天皇制を日本国憲法に維持できたので、それだけでも連合軍に心から感謝した。安倍とは正反対である。

天皇はマッカーサーに対し、この度成立する憲法により民主的新日本建設の基礎が確立された旨の御認識を示され、憲法改正に際しての最高司令官の指導に感謝の意を示される。(p.vii)

2、昭和天皇は、東京裁判の支持者か?

答:裕仁は、東条非難をイギリス国王や米国紙等に於いて行い、全責任を東条に押し付け、東京裁判を免訴された。そして、連合軍に東京裁判について熱く謝意を表明した。安倍とは正反対である。

裕仁(マ元帥に対し):戦争裁判(東京裁判)に対して貴司令官が執られた態度に付此機会に謝意を表明したいと思います。(p.viii)

3、昭和天皇は、靖国神社参拝の支持者か?

答:裕仁は、1978年に元宮内大臣の松平慶民の息子永芳が、靖国神社の宮司として戦犯を、日本精神復興のために東京裁判を否定するという主旨で合祀した際に、これを厳しく非難し、以降天皇家は正しくも参拝を拒否し続けている。

裕仁:親の心子知らず。

また1987年には、裕仁はこう語っている。

裕仁:この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし。

(p.ix)

4、昭和天皇は、米軍占領体制の継続となる安保体制(戦後対米隷属体制)の構築者か?

答:裕仁は、日本側から米軍の継続占領をオファーし、最終的にマ元帥もダレスもこの案に乗り、沖縄処分がなされ、当初の五分五分の論理での対等な協定の交渉は裕仁が占領継続を熱望した為に早々に頓挫し、米軍の占領がこともあろうに米軍の恩恵という形で交渉に入り、結果、全負担が日本に強いられることになり、今に至る。裕仁にとって、米軍継続占領は天皇制護持の手段だった。

ダレス特使は、(日米)二国間協定について、日本の要請に基づき米国軍隊は日本とその周辺に駐留するであろうと述べた。この説明に応えて、皇帝(昭和天皇)は全面的な同意を表明した。

(p.x)

5、昭和天皇は、軍国主義者か?それとも九条擁護か?

答:裕仁は、1975年においても軍国主義の復活を否定し、憲法でそれが禁じられているからだと安心している。皇族は、この点で正しい。

外国人特派員:日本が再び軍国主義の道を歩む可能性があるとお考えですか?

裕仁:いいえ。私はその可能性については、全く懸念していません。

それは憲法で禁じられているからです。

(p.243)

結論として、天皇家の保守の立場とは、反軍国主義、九条及び日本国憲法擁護、ポツダム宣言に基づく東京裁判承認、靖国合祀問題反対なのであり、右派を自称する安倍一派の立場とは対局にある。

最後に、著者は日本の対米独立の方図を示している。

それは、自主憲法や集団的自衛権、国防軍を設けても、政権交代でまず日米地位協定を破棄し、国体安保体制を支える統治行為論という判例法理、そしてそれに守られた密約体系の廃棄である。これらに、着手せずに対米独立は達成されず、米軍の日本占領は継続したままである。

本書は、全ての日本国民必読の書です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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21世紀のソ連ロシア論:偉大なロシア人民とソ連ロシアの世界史的価値の総括!


21世紀のソ連ロシア論:偉大なロシア人民とソ連ロシアの世界史的価値の総括2015/8/7
本書では、私は殊に佐藤さんのスノーデン論と、モサド諜報員達が佐藤さんに語ったというソ連崩壊とネオリベの台頭に関する箇所が重要だと思いました。さらに、ここでは五木寛之氏が敗戦時の満州、北朝鮮でソ連赤軍が大量レイプ事件をここでも起こしていた史実も暴露されています。前線でこうした暴行事件をどの戦線でも起こしていたソ連の囚人部隊とそれを取り締まり処刑の権限も持つスメルシュによる統制もそれと関連します。単に反共史観で赤軍を悪と断罪せず、内訳を分析している点が格別に秀逸です。

スノーデンについて、彼が世界レベルのIT技術を有している一方で、正義感は中学生並みという現象は、米国が厖大なデータを蓄積している一方で、監視社会や諜報をそうしたレベルでしか捉えていない事が、端的に示されています。では、なぜあれだけの盗聴を行い、データ集積が大手サイトからも日々成されているのに、テロ対策もろくにできていないのでしょうか?あれらの厖大な情報は如何に利用されているのか?

佐藤さん:じゃあ。情報を何に使っているかというと、ほとんどビジネスというか、金儲けなんですね。相手の情報を盗んで、ビジネス交渉を有利に進める事ぐらいにしか使われていない。(57ページ)

では、ソ連崩壊とネオリベ台頭の関係は? それは、古くはトロツキーだけでなく、ナオミ クラインも指摘していますが、ソ連は例え、スターリン主義下で堕落した労働者国家になっていても、その存在自体が資本主義社会に社会福祉政策や、比較的平等を目指した所得格差の是正を自覚的に推進させ、資本主義を維持し、社会主義への変革を抑制するという悪くない反作用を引き出していました。だから、ソ連はプロレタリア国家と言えたし、トロツキーも全力でそれを支持したのです。モサドもこの線で、ソ連崩壊とネオリベの蔓延を分析しています。

佐藤さん:2014年5月にイスラエルに行って友人達と議論したんですが、彼らが口々に「国家の仕組みが変わった」と言うんです。どういうことかというと、アメリカの金持ち達というのは、いつの時代でもだいたい人口の5%ぐらいいる。それで、東西冷戦が終わる迄は、その金持ちが、政府を通じて強度な累進課税制による再分配に賛成していたと。いわば、共産主義が、資本主義の暴走の歯止め役になっていたわけです。ところが、共産主義の脅威がなくなったから、世界全体が弱肉強食になってしまった。(58-59ページ)

そして、資産のファンド形式(例:奨学金や研究費供出で自社に有利な人的、技術的な資源を社会的に独占していく)での社会的な還元という我田引水のネオリベ様式に変化してしまいました。1991年以降は全面的なネオリベ時代に突入したのです。

これは、ソ連崩壊=ネオリベ資本主義の全面的な暴走開始というソ連の世界史的な偉大な存在意義を逆に論証しています。ソ連ロシアは、20世紀を通して資本主義の暴走を抑止する役割を、スターリン主義ではなく、それ自体の存在に依って果たしていたのです。

本書は、全佐藤ファン必読の書です。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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佐藤さんから学ぶ者は救われ、知力なき者はネトウヨと化す!


佐藤さんから学ぶ者は救われ、知力なき者はネトウヨと化す!2015/8/5
本書は、佐藤さんの既刊本『佐藤優の実践ゼミ「地頭」を鍛える!』の文庫化です。

しかし、再読してみるとやはり第10講座は最も秀逸です。

例えば、外交的事実の指摘としては今年暗殺された元エリツィン政権で第一副首相だったネムツォフ氏が、1997年の北方領土に関するクラスノヤルスク合意の交渉過程で、エリツィンが全島一括返還をしようとして彼が阻止した経緯は彼の創作であった事が発覚している点は、日本の外交的利益にとり重要情報です。彼は、日本の外務省を代表とする日本の諜報機関が、北海道新聞での氏の流説をキャッチする事を見越して誤情報を垂れ流している。

又、哲学的には、クロノスという時系列的な時間概念と、カイロスというタイミングの概念、その事象の前後で時間軸上の意味が変化するという意味での時間点を表す概念は政治的にも重要です。例えば、8月15日の日本人にとっての意味は、カイロスですし、米国は露骨に東京裁判の開始や処刑日時も皇族誕生日に合わせたのもこのカイロスの政治的運用です。

さらに、史実としては、1494年のトルデシリャス条約は、ロ―マ教皇が世界を当時ポルトガル領とスペイン領に二分することを約したカトリック教イデオロギーによる植民地化(悪しき普遍化)政策でした。そこで、かのザビエルはそのポルトガル領とされた日本に宣教にきました。日本の鎖国政策は、世界の趨勢からみるとこのようなカトリックの植民地政策から日本的固有の価値観を護持する上で、有効な機能を果たしていました。鎖国を否定することはできません。

現在の政治情勢では、イスラム国が核兵器を入手するシナリオです。イランの核保有のために秘密協定で、パキスタンからサウジへ核兵器が移転され、アラブもオマーンもパキスタンから核兵器を購入し、こうして核兵器がイスラム国へ流入し、核のテロ使用の連鎖が中東で生じる危険があるという見解は重要です。

日本の諜報機関は、外交一元化原則から基本的に外務省で、テロ対策は警視庁、在外公館では自衛隊員など防衛省幹部が諜報に当たっています。これは、正に現存する日本の諜報システムの構造概念です。

神学については、佐藤さんがゴーガルテンを研究されていた理由が分かりました。そもそもこれには、聖書の文句が全て国家や民族、皇族の単位ではなく、神の特命の個人に対する文言である事の理解が必要です。それを誤解したゴーガルテンは、民族に神の啓示が降臨するというナチス的キリスト教観を構築してしまったのです。

歴史、神学、諜報、仕事等の処世術など、佐藤さんの論考は最も知性的で示唆に富んでいます。

本書は、全ての佐藤ファンの必読書です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Thursday, August 6, 2015

佐藤さんから学ぶ者は救われ、知力なき者はネトウヨと化す!


佐藤さんから学ぶ者は救われ、知力なき者はネトウヨと化す!2015/8/5
本書は、佐藤さんの既刊本『佐藤優の実践ゼミ「地頭」を鍛える!』の文庫化です。

しかし、再読してみるとやはり第10講座は最も秀逸です。

例えば、外交的事実の指摘としては今年暗殺された元エリツィン政権で第一副首相だったネムツォフ氏が、1997年の北方領土に関するクラスノヤルスク合意の交渉過程で、エリツィンが全島一括返還をしようとして彼が阻止した経緯は彼の創作であった事が発覚している点は、日本の外交的利益にとり重要情報です。彼は、日本の外務省を代表とする日本の諜報機関が、北海道新聞での氏の流説をキャッチする事を見越して誤情報を垂れ流している。

又、哲学的には、クロノスという時系列的な時間概念と、カイロスというタイミングの概念、その事象の前後で時間軸上の意味が変化するという意味での時間点を表す概念は政治的にも重要です。例えば、8月15日の日本人にとっての意味は、カイロスですし、米国は露骨に東京裁判の開始や処刑日時も皇族誕生日に合わせたのもこのカイロスの政治的運用です。

さらに、史実としては、1494年のトルデシリャス条約は、ロ―マ教皇が世界を当時ポルトガル領とスペイン領に二分することを約したカトリック教イデオロギーによる植民地化(悪しき普遍化)政策でした。そこで、かのザビエルはそのポルトガル領とされた日本に宣教にきました。日本の鎖国政策は、世界の趨勢からみるとこのようなカトリックの植民地政策から日本的固有の価値観を護持する上で、有効な機能を果たしていました。鎖国を否定することはできません。

現在の政治情勢では、イスラム国がイランの核保有が秘密協定で、パキスタンからサウジへ核兵器が移転され、アラブもオマーンもパキスタンから核兵器を購入し、イスラム国へ流入し、核のテロ使用の連鎖が中東で生じる危険があるという見解は重要です。

日本の諜報機関は、外交一元化原則から基本的に外務省で、テロ対策は警察庁、在外公館では自衛隊員など防衛省幹部が諜報に当たっています。これは、正に現存する日本の諜報システムの構造概念です。

神学については、佐藤さんがゴーガルテンを研究されていた理由が分かりました。そもそもこれには、聖書の文句が全て国家や民族、皇族の単位ではなく、神の特命の個人に対する文言である事の理解が必要です。それを誤解したゴーガルテンは、民族に神の啓示が降臨するというナチス的キリスト教観を構築してしまったのです。

歴史、神学、諜報、仕事等の処世術など、佐藤さんの論考は最も知性的で示唆に富んでいます。

本書は、全ての佐藤ファンの必読書です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ1000レビュアー)

良質の芸大スタジオ作品集(^ ^)


良質の芸大スタジオ作品集(^ ^)2015/8/2
Amazonで購入(詳細)
私は、本製品はまずDVD部門に分類されるべきであると予々思ってきました。

本製品は映画5本集であり、映画そのものズバリだからです。

私のお目当ては、曾ての同級生の松井一生君の『ユラメク』という60分の修了作品です。

業界でも作品を続ける松井宏樹君による撮影は、ショット単体として壮麗です。
第七期の助監督である遠藤君(製作兼任)や次回作2作を控える坂下君のフォローも良かったのだと思う。

同級生同士で、業界でも継続して合作していくのが映画学校の理想形であり、今後のご活躍に期待したい。

本作は、ジャンルとしてはドラマやミステリーになるが、アクション行為に依る展開ではなく、立話的な印象が強かった。
編集も、紙芝居のシートの切り替えに類似した当たり障りのない通常よりも極少的に抑制されたものだった。ただし、メトリックなモンタ―ジュでもないし(例:内容無視で2秒ごと編集)、一台なので同一アクションの異なるサイズの高度なコンティニュアティーを追求するアメリカ式編集でもないし、極端なサイズとアングル変化で、パズルの様なツギハギのアクションの接合部をごまかしてつないでいくCMやテレビの編集とも異なっていた。むしろ、場ごと切り替える傾向が強かった印象である。

肝心のドラマの内容は、シュールすぎて私は正直あまり全体が把握できなかった。確かに渡邊奈緒子は美女である。
ここでは、松井君のダークな好みが全面に出ていたと思う。その点は、ニューシネマ的な価値で撮った影響だと思う。
結果として密室の暗い立ち話的なものの印象を作品の構成自体が与える結果になってしまっている。

他の修了作品にも言えるが現実の今の社会問題に触れるには、キーワードの挿入だけでは不十分で、描いたことにはならないことも分かる。再び、抽象的な個人間の葛藤に焦点がいき、社会全体が縮図というよりも忘却されている。私も観ていて忘れた。

黒沢さんのコメントを引用する。

黒沢さん:霧の中からいったんは奪い返した日常を、最後に捨て去る者、自らの死を自覚しつつも、工場の墓場から旅立っていく者、すすんで崩壊の中にとどまり、そこから未来へ繋がろうとする者、“海外”と呼ばれる場所は地獄でしかないと知りつつ、そこへ赴こうとする者、そして、都会のビルの一室に作られた理想郷を身を挺して告発する者、こういった人々が藝大第8期修了制作作品の主旋律を奏でている。私はもう10年近くこの催しに立ち会ってきたが、こんな年は初めてである。それぞれまったく異なったアプローチの作品でありながら、どれもギョッとするほど共通性のあるテーマに立ち向かっているのだ。それは“未来は暗澹たるものなのかもしれない予感”というテーマである。今が一番幸せと微笑む者もいないし、退屈だと言って暇をもてあます者もいない。いるのは、ただ一心不乱に上記のようであろうとする者たちだ。彼らは口をそろえて「今という世界は間違っている」と断言する。そして彼らは、かつてあったかもしれない安全な日常に回帰することをきっぱりと拒否し、それぞれのやり方でこの忌まわしい“今”を振り切って走り出そうとする。全作品を見終って、私は完全に納得した。やはり若者こそが、世界で最も聡明な存在だったのだ。

(公式サイトより)

今後の芸大スタジオ作品にも期待しているが、7期以降はまたアートフィルムの路線へ退行してしまっただけでなく、原作小説便乗戦略を廃棄したり、オリジナル開発や配給の致命的縮小がとても遺憾である。伝統的な、蓄積された諸成果は温存し、発展させなくては組織は駄目である。新規生達は、ただ過去のものをそのまま棄てるを総括なしに繰り返していくと、何も経験が蓄積しないし組織としては誤りである。

その弊害が如実にみられるが誰か有効な策をこうじているとも思えない。

芸大スタジオの今後の成功に期待する。それは、単にどこかで個人が賞をとるとかいうレベルの低い次元の成功ではなく、既述の諸問題を解消する組織的な改革の諸成果である。

とにかく恩義ある松井君の修了作品を購入、鑑賞できてよかったし、修了おめでとうと祝福したい。

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Monday, August 3, 2015

昭和天皇の正体:昭和天皇裕仁の築いた戦後対米隷従体制!


昭和天皇の正体:昭和天皇裕仁の築いた戦後対米隷従体制2015/7/29
戦後70周年である今年も、未だ日本は真に独立していません。誰がこのような歪な体制を構築したのでしょうか? その答えが本書にあります。未だに歴史認識問題を日本が引きずるのは、昭和天皇が戦争責任をとらずに、正式に世界に謝罪や反省をすることがなく、退位により戦後と一線を画し事なく、米軍に継続占領を依頼し、マッカーサーとダレスが了承し、国体と安保、九条と米軍が、米軍の恩恵という論理で併存してしまう事態となったためです。日中戦争の推進派の吉田茂は、後年捏造された彼のイメージの様に自主独立などではなく、さんざん安保交渉から逃避したあげく、最後は昭和天皇の対米従属路線に追随しました。

皇統の危機の事態の深刻さにおいて、立憲君主や専制君主として戦前戦後も振る舞った最高権力者の昭和天皇が、軍部クーデターを常に恐れ戦争反対しなかったために、第二次大戦で310万人の日本人が犠牲になりました。しかし、今も昔も戦後日本は政治的責任をとるべき政治的中枢が欠落している在日米軍に守られた官僚主義体制です。

昭和天皇の戦後外交は違憲と言えます。

以下は、タブーとなっている諸事実です。

昭和天皇の自発的な意向で行われた沖縄処分(本土と沖縄の構造的差別)も、重光に在日米軍撤退反対の指示を出して構築した従米安保体制(米占領軍による巧妙な日本統治の占領体制の継続)、米軍の日本占領に協力することで、東京裁判を免れ、忠臣東条に全責任を負わせ(米側が東条に証言を指示)、日本国憲法(天皇が保証する民主主義体制)では天皇制(国体)を温存させ、裕仁は広島や長崎原爆に就いては「やむをえない」と発言した。さらに、朝鮮戦争では米軍のリッジウェイに原爆使用を催促し、対中ソ包囲網や価値観外交を米側に提案した。すなわち、裕仁においては、違憲か否か、戦争か平和かよりも主権や沖縄よりも皇統の護持が全てでした。これが、彼の戦前、戦中、戦後を貫く一貫した論理です。

これらはすべて、敗戦国の元首としては類をみない歴史的事例であり、豊下さんにより、新旧資料を基にした実証的作業により論証されています。

以下は詳論です。

1、昭和天皇及び皇族は、日本国憲法の支持者か?

答:裕仁は占領軍の日本占領に協力する代償に、天皇制を日本国憲法に維持できたので、それだけでも連合軍に心から感謝した。安倍とは正反対である。

天皇はマッカーサーに対し、この度成立する憲法により民主的新日本建設の基礎が確立された旨の御認識を示され、憲法改正に際しての最高司令官の指導に感謝の意を示される。(p.vii)

2、昭和天皇は、東京裁判の支持者か?

答:裕仁は、東条非難をイギリス国王や米国紙等に於いて行い、全責任を東条に押し付け、東京裁判を免訴された。そして、連合軍に東京裁判について熱く謝意を表明した。安倍とは正反対である。

裕仁(マ元帥に対し):戦争裁判(東京裁判)に対して貴司令官が執られた態度に付此機会に謝意を表明したいと思います。(p.viii)

3、昭和天皇は、靖国神社参拝の支持者か?

答:裕仁は、1978年に元宮内大臣の松平慶民の息子永芳が、靖国神社の宮司として戦犯を、日本精神復興のために東京裁判を否定するという主旨で合祀した際に、これを厳しく非難し、以降天皇家は正しくも参拝を拒否し続けている。

裕仁:親の心子知らず。

また1987年には、裕仁はこう語っている。

裕仁:この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし。

(p.ix)

4、昭和天皇は、米軍占領体制の継続となる安保体制(戦後対米隷属体制)の構築者か?

答:裕仁は、日本側から米軍の継続占領をオファーし、最終的にマ元帥もダレスもこの案に乗り、沖縄処分がなされ、当初の五分五分の論理での対等な協定の交渉は裕仁が占領継続を熱望した為に早々に頓挫し、米軍の占領がこともあろうに米軍の恩恵という形で交渉に入り、結果、全負担が日本に強いられることになり、今に至る。裕仁にとって、米軍継続占領は天皇制護持の手段だった。

ダレス特使は、(日米)二国間協定について、日本の要請に基づき米国軍隊は日本とその周辺に駐留するであろうと述べた。この説明に応えて、皇帝(昭和天皇)は全面的な同意を表明した。

(p.x)

5、昭和天皇は、軍国主義者か?それとも九条擁護か?

答:裕仁は、1975年においても軍国主義の復活を否定し、憲法でそれが禁じられているからだと安心している。皇族は、この点で正しい。

外国人特派員:日本が再び軍国主義の道を歩む可能性があるとお考えですか?

裕仁:いいえ。私はその可能性については、全く懸念していません。

それは憲法で禁じられているからです。

(p.243)

結論として、天皇家の保守の立場とは、反軍国主義、九条及び日本国憲法擁護、ポツダム宣言に基づく東京裁判承認、靖国合祀問題反対なのであり、右派を自称する安倍一派の立場とは対局にある。

最後に、著者は日本の対米独立の方図を示している。

それは、自主憲法や集団的自衛権、国防軍を設けても、政権交代でまず日米地位協定を破棄し、国体安保体制を支える統治行為論という判例法理、そしてそれに守られた密約体系の廃棄である。これらに、着手せずに対米独立は達成されず、米軍の日本占領は継続したままである。

本書は、全ての日本国民必読の書です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Mr.Ryota Nakanishi's Movie Review! 良質の芸大スタジオ作品集:芸大八期生達による映画的実験は成功したのか?


良質の芸大スタジオ作品集:芸大八期生達による映画的実験は成功したのか?2015/8/2
Amazonで購入(詳細)
私は、本製品はまずDVD部門に分類されるべきであると予々思ってきました。

本製品は映画5本集であり、映画そのものズバリだからです。

私のお目当ては、曾ての同級生の松井一生君の『ユラメク』という60分の修了作品です。

業界でも作品を続ける松井宏樹君による撮影は、ショット単体として壮麗です。
第七期の助監督である遠藤君(製作兼任)や次回作2作を控える坂下君のフォローも良かったのだと思う。

同級生同士で、業界でも継続して合作していくのが映画学校の理想形であり、今後のご活躍に期待したい。

本作は、ジャンルとしてはドラマやミステリーになるが、アクション行為に依る展開ではなく、立話的な印象が強かった。
編集も、紙芝居のシートの切り替えに類似した当たり障りのない通常よりも極少的に抑制されたものだった。ただし、メトリックなモンタ―ジュでもないし(例:内容無視で2秒ごと編集)、一台なので同一アクションの異なるサイズの高度なコンティニュアティーを追求するアメリカ式編集でもないし、極端なサイズとアングル変化で、パズルの様なツギハギのアクションの接合部をごまかしてつないでいくCMやテレビの編集とも異なっていた。むしろ、場ごと切り替える傾向が強かった印象である。

肝心のドラマの内容は、シュールすぎて私は正直あまり全体が把握できなかった。確かに渡邊奈緒子は美女である。
ここでは、松井君のダークな好みが全面に出ていたと思う。その点は、ニューシネマ的な価値で撮った影響だと思う。
結果として密室の暗い立ち話的なものの印象を作品の構成自体が与える結果になってしまっている。

他の修了作品にも言えるが現実の今の社会問題に触れるには、キーワードの挿入だけでは不十分で、描いたことにはならないことも分かる。再び、抽象的な個人間の葛藤に焦点がいき、社会全体が縮図というよりも忘却されている。私も観ていて忘れた。

黒沢さんのコメントを引用する。

黒沢さん:霧の中からいったんは奪い返した日常を、最後に捨て去る者、自らの死を自覚しつつも、工場の墓場から旅立っていく者、すすんで崩壊の中にとどまり、そこから未来へ繋がろうとする者、“海外”と呼ばれる場所は地獄でしかないと知りつつ、そこへ赴こうとする者、そして、都会のビルの一室に作られた理想郷を身を挺して告発する者、こういった人々が藝大第8期修了制作作品の主旋律を奏でている。私はもう10年近くこの催しに立ち会ってきたが、こんな年は初めてである。それぞれまったく異なったアプローチの作品でありながら、どれもギョッとするほど共通性のあるテーマに立ち向かっているのだ。それは“未来は暗澹たるものなのかもしれない予感”というテーマである。今が一番幸せと微笑む者もいないし、退屈だと言って暇をもてあます者もいない。いるのは、ただ一心不乱に上記のようであろうとする者たちだ。彼らは口をそろえて「今という世界は間違っている」と断言する。そして彼らは、かつてあったかもしれない安全な日常に回帰することをきっぱりと拒否し、それぞれのやり方でこの忌まわしい“今”を振り切って走り出そうとする。全作品を見終って、私は完全に納得した。やはり若者こそが、世界で最も聡明な存在だったのだ。

(公式サイトより)

今後の芸大スタジオ作品にも期待しているが、7期以降はまたアートフィルムの路線へ退行してしまっただけでなく、原作小説便乗戦略を廃棄したり、オリジナル開発や配給の致命的縮小がとても遺憾である。伝統的な、蓄積された諸成果は温存し、発展させなくては組織は駄目である。新規生達は、ただ過去のものをそのまま棄てるを総括なしに繰り返していくと、何も経験が蓄積しないし組織としては誤りである。

その弊害が如実にみられるが誰か有効な策をこうじているとも思えない。

芸大スタジオの今後の成功に期待する。それは、単にどこかで個人が賞をとるとかいうレベルの低い次元の成功ではなく、既述の諸問題を解消する組織的な改革の諸成果である。

とにかく恩義ある松井君の修了作品を購入、鑑賞できてよかったし、修了おめでとうと祝福したい。

Cited:
 中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ1000レビュアー)