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Monday, November 30, 2015

対米従属論の権威中西良太氏のAmazonレビュー:生産力至上主義及びGDP至上主義が蝕んだソ連経済末期の最重要文献:ペレストロイカ(立て直し)、この道しかない!


生産力至上主義及びGDP至上主義が蝕んだソ連経済末期の最重要文献:ペレストロイカ(立て直し)、この道しかない!,2015/11/29
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レビュー対象商品: ペレストロイカ (単行本)
ペレストロイカは、スターリン主義の歪な命令経済で、1970年代より顕著になってきた本来資本主義に固有の停滞(スタグネーション)が、1980年代初頭にソ連で猛威を振るったことが主因となっています。

特筆するべきは、安易に歴史書が引用している労働の画一化と一律の固定給が労働の刺激を奪っていたことが原因ではなく、当時は労働意欲の刺激策は多様でした。しかし、真の停滞の正体は、ゴルビーの言うブレーキ現象でした。それは、労働の生産性と社会的公正性を喪失する現象で、ゴルビーは以下の如くその核心的なソ連政治経済を蝕んだ内因を分析総括しています。

ゴルバチョフ:総生産高を上げることが、最優先事項とされ、それ自体が目的になっている。この傾向は、重工業分野に於いて特に著しい。同様の事は資本構成の面でも見られる。

国家の富のかなりの部分が無駄に使われている。

高度な科学技術を全く利用しない金のかかるプロジェクトが幾つもあるのだ。労働力や原料や資本を最大限に使うのが、最高の労働者であり、企業であると考えられている。

生産者が消費者を満足させる様にするのが順当だと思うのだが、我が国では消費者は完全に生産者の意のままにさせられており、生産者が与えてくれるもので我慢するしかないのである。これもまた、総生産高第一主義の結果に他ならない。

我が国の経営者の多くは、いかにして国の資産を増やすかという事は考えず、いかに多くの原材料と労働力と労働時間を製品に注ぎ込み、製品を高値で売りつけるかという事に腐心するのが、一般的になって来ている。その結果、総生産高重視にも関わらず、商品は不足している。

(中略)鉄鋼、原料、燃料及びエネルギーの世界最大の生産国において、それらの資源が不足しているという馬鹿げた事態が出現している。資源を浪費し非効率的に使用した為である。 (pp.20-22) 

実はこの問題は、既にトロツキーが言及していたのだが、ここでゴルビーも70年代から15年間続いた経済的停滞を科学的に分析して以上の結論に到達しています。

ネトウヨ達が歪曲する様に理念の書ではなく、政治経済学的にソ連末期の停滞の処方箋を体系的に論じた社会主義的且つ民主主義的な改革の基礎的書物です。

本書は、全ての真摯なソ連研究者の必読書です!

Source:中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
(トップ1000レビュアー)

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