サトウ主義の基礎について:正統マルクス主義の発展?あるいは非マルクス主義としての官僚階級論の試み, 2015/10/25
レビュー対象商品: モナド新書 官僚階級論 (モナド新書010) (新書)
本書では、サトウ主義とマルクス主義の差異が官僚階級論という非マルクス主義のサトウイズムの展開によって明確になっています。
佐藤さんは、官僚階級論をマルクスの階級論ではないとして、資本家、地主、労働者、大きくはブルジョアジーとプロレタリアートの大別の外に、独立した階級として官僚を設定しています。サトウ主義にとって支配階級は、官僚階級と資本家、地主階級となります。
その原理は、簡単に言うと、国家という暴力装置を官僚制機構としていますが、佐藤さんはそれをさらに誰の暴力装置というマルクス主義的な問いを立てる事なく、国家=暴力装置=官僚機構=税金の収奪に依り自己保存を計る支配階級自体としている点に本書の全体としてのサトウ主義の階級論が成り立っています。
つまり、マルクス、レーニン、トロツキーらにとっての、官僚制=国家は、全体としてのブルジョアジーという支配階級の階級支配としての暴力装置というマルクス主義の正統の学説ではなく、官僚自体が他のいかなる階級からも、資本主義社会からも独立した天上の支配階級であり且つ、それ自体が暴力装置であるという、階級と装置機構を同一視する観点で官僚階級論として私がレビューで命名したサトウイズムを展開しています。
その論拠は、実は以下の命題に集約されています。以下が本書全体を支えるサトウ主義の基礎的命題です。
サトウ同志:国家がなくても資本主義が回るという事ならば、徴税機能も国家も要りません。しかし、国家の暴力性に裏打ちされていないと、資本主義システムが崩壊することになります。国家には、国家を支える具体的な人間が必要です。それが官僚です。官僚を維持するには、お金が要ります。だから徴税するわけです。(pp.74-75)
佐藤さんは、実はこの命題で、官僚階級論を否定してしまっています。ここでは、まさにブルジョアジーという支配階級による階級的支配を維持する暴力装置としての官僚制という本質と仕組み(その維持費を特定企業だけに供出させず全体としてさせる)を概括しています。実にマルクス主義的命題です。この誰の為の暴力装置かを独立した官僚制自体にする点にこのサトウイズムとしての官僚階級論が成立します。
結論としては、官僚制は支配階級であるブルジョアジーの階級支配の為の暴力装置としての国家であるということがマルクス主義の正統であり、官僚階級論はやはりサトウイズムと言わねばならないことが熟読しての率直な感想です。官僚を独自の階級にすると単に資本主義社会というだけでなく、資本階級が支配するものとしての資本主義国家を理解する妨げになります。だから、マルクスも官僚を階級にはしていません。
本書は、全ての佐藤ファン、そしてマルクス主義の修正主義としてのサトウイズムを理解する為の必読書です!
佐藤さんは、官僚階級論をマルクスの階級論ではないとして、資本家、地主、労働者、大きくはブルジョアジーとプロレタリアートの大別の外に、独立した階級として官僚を設定しています。サトウ主義にとって支配階級は、官僚階級と資本家、地主階級となります。
その原理は、簡単に言うと、国家という暴力装置を官僚制機構としていますが、佐藤さんはそれをさらに誰の暴力装置というマルクス主義的な問いを立てる事なく、国家=暴力装置=官僚機構=税金の収奪に依り自己保存を計る支配階級自体としている点に本書の全体としてのサトウ主義の階級論が成り立っています。
つまり、マルクス、レーニン、トロツキーらにとっての、官僚制=国家は、全体としてのブルジョアジーという支配階級の階級支配としての暴力装置というマルクス主義の正統の学説ではなく、官僚自体が他のいかなる階級からも、資本主義社会からも独立した天上の支配階級であり且つ、それ自体が暴力装置であるという、階級と装置機構を同一視する観点で官僚階級論として私がレビューで命名したサトウイズムを展開しています。
その論拠は、実は以下の命題に集約されています。以下が本書全体を支えるサトウ主義の基礎的命題です。
サトウ同志:国家がなくても資本主義が回るという事ならば、徴税機能も国家も要りません。しかし、国家の暴力性に裏打ちされていないと、資本主義システムが崩壊することになります。国家には、国家を支える具体的な人間が必要です。それが官僚です。官僚を維持するには、お金が要ります。だから徴税するわけです。(pp.74-75)
佐藤さんは、実はこの命題で、官僚階級論を否定してしまっています。ここでは、まさにブルジョアジーという支配階級による階級的支配を維持する暴力装置としての官僚制という本質と仕組み(その維持費を特定企業だけに供出させず全体としてさせる)を概括しています。実にマルクス主義的命題です。この誰の為の暴力装置かを独立した官僚制自体にする点にこのサトウイズムとしての官僚階級論が成立します。
結論としては、官僚制は支配階級であるブルジョアジーの階級支配の為の暴力装置としての国家であるということがマルクス主義の正統であり、官僚階級論はやはりサトウイズムと言わねばならないことが熟読しての率直な感想です。官僚を独自の階級にすると単に資本主義社会というだけでなく、資本階級が支配するものとしての資本主義国家を理解する妨げになります。だから、マルクスも官僚を階級にはしていません。
本書は、全ての佐藤ファン、そしてマルクス主義の修正主義としてのサトウイズムを理解する為の必読書です!
Source: 中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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