Tuesday, August 18, 2015

21世紀の昭和史論!



大人のための昭和史入門 (文春新書)書評



私は、日本の真に民主的な論客達が一同に介した本書を感激しながら読破しています。

中でも佐藤優さんの論考は、私の目当てであり、彼がイスラム国と226事件のファシスト似非革命の内在的論理、つまり本質に論及している以下の箇所に殊に感銘を受けました。

佐藤さん:あの戦争に敗北した後、合理主義、個人主義、生命至上主義が、日本人の支配的思想になった。それだからといって、滅私奉公の思想が途絶えてしまった訳ではない。人間は、自己犠牲を厭わない人に魅力を感じる。大義に殉じるという思想は強い感染力をもつ。そういう人は、自分の価値観や基準を他人に強要する傾向がある。その結果、社会と国家に大きな悲喜劇をもたらすことがある。226事件から学ばなくてはならないのは、この悲喜劇性だ。

(本書、109ページ)

ちなみに、佐藤さんは226事件もファシストの対抗革命(反動)であると正しく分析された上で、その精神的な病理に迄深い洞察を示しています。また、佐藤さんが魅力的なのも大義に殉じる人だからです。

本書は、戦後70周年の最高の豪華対談及び秀逸な論考の集成でもあります!お薦めです!

出典:アマゾン

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