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日本最高の経済学者植草一秀さんによる安倍政権経済政策3年の総括と展望,
本書は、世界の政治経済社会情勢の動向を精緻に把握し、投資戦略に活用する為であると同時に、学者的良心として単純な株価上昇に歓喜する投資家達に日本経済全体の推移が、如何に株価上昇と乖離しているかを同時に明示しています。折衷的な記述ではなく、見事に政治経済両面の分析が融合した論旨の展開で、史上最高の完成度です。
ここに、日本最高の経済学者である植草さんの基本的スタンスが体現されていますし、その推奨銘柄が全て発表3ヶ月経過時点でも高値をつける等、的中率の精度で好評の会員制TRIレポート『金利・為替・株価特報』の第4弾である本書の真価があります。 単なる巷間に氾濫する安っぽい投資指南本ではありません。ヘーゲル的な体系知の持ち主である植草さんの批判的分析は、日米中を主軸にし、金利・為替・株価の国際的な発展推移の比較において展開されています。ここでは主としてチャイナリスクの正体、アベノミクスの正体(日本経済の実態)、日本経済復活の条件です。その論述で本書の導きの糸となるのが、官製相場を念頭に置いた以下の基本的命題です。 植草さん:株式市場は情報の集積場である。経済統計は人為によって創作されるバーチャルな変数だが、株価は多数の市場参加者の行動によって形成されるリアルな変数である。その決定には、無数の情報、奥深い情報が関与する。著名人も有識者も関係ない。リアルな現実、リアルな情報が折り重なって株価が決定される。これは、為替レート、債券価格についても当てはまる。この意味で、一般の経済指標とは全く異なる属性を有するのである。(p.254) まず、チャイナリスクに関しては、中国経済崩壊論が麻生らの詭弁である事が分かりました。例えば、中国バブル解消の2015年8月から10月にかけてのチャイナショックは、長期間の高値が持続した後の暴落ではなく、2009年から2014年まで2000ポイントぐらいの長期下落傾向が続き、その後2014年7月から2015年6月まで5200ポイントぐらいまで暴騰し、同年12月で約3500ポイントに落ち着いています。中国経済停滞は事実でも、中国経済崩壊説はフィクションであることが植草さんの以下のテーゼから明確です。 植草さん:どこを起点に取るかで評価が変わる。瞬間的に跳ね上がった時期を飛ばして考えれば、もともと500兆円の資産が875兆円になっているわけで、経済崩壊だと決めつける訳にはいかない。(p.152) 安倍政権3年の経済政策は何をもたらしたのか?現在では、野田政権下の緊縮財政不況と同程度の不況を日本にもたらしているだけに止まりません。 まず、財政政策は、従来型の利権バラマキですし、インフレ率は有り難い事に今では2%どころか0%ですし、その核心をなす成長戦略なる構造政策は、所得0のものからも支払い能力を無視して一律税金を徴収する、悪魔の消費税(最大の税収源)を基軸とする格差拡大の税制改変、関税率が他の先進国よりも比較的低いのに、保護政策もろとも廃棄して食料自給率を顧みない農業市場の外資への献上(農業自由化)、医療に於けるGDP拡大は、医療費等の価格の引き上げ(医療自由化)であり、労働自由化は非正規拡大と正規の非正規/発展途上国水準への労働条件の引き下げです。 つまり、弱肉強食の格差拡大政策です。その証拠は、日本の債務が1000兆円という片面報道に対して、1000兆円弱の政府資産による財政状況が、危機どころか世界でも第9位である事実です。 これまで安倍を救ったのは、まず野田背教政権の緊縮財政不況に対する景気拡大方針の採用、米国の金利上昇による円安進行、2014年後半からの原油価格の下落と、10%消費税増税の2017年への延期でした。基本的に反知性主義の亡国の宰相たる彼自身の所作によるものではありません。 植草さん:安倍政権の経済政策の根幹をなすのが成長戦略であり、この成長戦略こそ、日本の主権者をさらに厳しい経済状況に追い込む「真綿」の役割を担うものである。(p.195) 資本主義社会の不況は、企業の生産能力と最終需要である個人消費のバランスの崩壊です。安倍の経済政策は、短期的には資本家達の利益を増大させますが、中長期的には日本の広範な生産活動の担い手である労働者階級の消費能力を現在よりもさらに減退させ、その存立自体を不安定化させるものです。このようなアベノミクスとは何か? 植草さん:アベノミクスは、労働者の処遇を引き下げる事を根幹に置くから、消費主導の経済成長は実現しようがない。そこで、打開策として、働く人数を増やす事を考えたのだ。全ての働ける人間を低賃金の労働に引きずりだす。そのことによって、GDPのかさ上げを図る。これが、「新三本の矢」であり、「一億総活躍 」の意味である。正確に表現するなら、「一億総動員 」だ。そして、生産年齢を過ぎた国民には、できるだけ早くに死んでもらう。これが、医療自由化の狙いでもある。低所得者には十分な医療を提供しない制度に移行する。この人々が早く死んでくれれば国の社会保障支出を節約できる。 「一億総動員 」と「一億総棄民 」が「新三本の矢」の正体だ。(pp.197-198) 最後に日本経済復活の条件です。資本家=企業の収益が上がれば、労働のリターンがそれだけ減るというのが、トリクルダウンが隠蔽する虚構の真実です。それと同様に、株価上昇=景気向上ではないのは、アベノミクス不況下の労働者の境遇が悪化し、非正規化の推移が急上昇しているグラフ、実質賃金の過去からの下落傾向からも明らかです。株価上昇と労働者/家計の経済状況が劣化している傾向が同時進行している現状を無視した金儲けは危険であることを、本書は啓示しています。 では、どのような政策方針が日本経済復活の条件なのか?その重要命題が以下です。 植草さん:自立的な経済成長軌道を実現する為に必要不可欠な事は、生産・所得・支出の拡大循環を成立させる事だ。持続可能な拡大循環が成立しない限り、日本経済は復活しない。何よりも重要な事は、生産の果実を適正に労働者に分配することだ。生産の果実の分配に際して、高所得者への分配を多くして、低所得者への分配を減らすと、消費が全体として停滞する。2012年11月以降の「アベノミクス」の時代に家計消費が低迷しているのは当然のことなのだ。(p.210) 税制改革で、高所得者への累進課税強化と、消費税廃止、法人税の強化は必須です。中低所得層への所得分配を強化することです。一言で言うと、日本経済復活策はネオリベを否定する格差是正策でもあります。 結論から言うと、本書はこのように巷に氾濫するチープな投資指南本ではなく、科学的に精度の極めて高い政治経済社会動向の批判的分析の書であり、それは官製相場の株価上昇に嬉々とし、投資で儲かればいいという安易な傾向に警鐘を鳴らし、株価上昇と対極にある日本経済全体のアベノミクス不況の現在と未来の危機を体系的に論述した名著です!本書が証明するように、中国崩壊論は虚偽であり、アベノミクスは際限のない格差拡大策であり、日本経済復活の鍵は格差是正策による労働者階級への分配を通した家計の消費能力の再生拡大です。 本書は、全日本国民の必読の書です!
Source:中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! 対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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Thursday, January 7, 2016
日本最高の経済学者植草一秀さんによる安倍政権経済政策3年の総括と展望
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Alarm Signal! – Danger Draws Closer in P.R.O.C. : NED-funded Network of Young Democratic Asians, NOYDA (亞洲青年民主陣線; 亞洲青年民主網路; 亞洲青年民主連線) - The Anti-Empire Report Far East 2013-2018
Smart Phone ver. NED-Asian Colour Revolutionary Network, NOYDA Network of Young Democratic Asians? 亞洲青年民主網路; 亞洲青年民主連線 ; 亞洲青年民主陣線 ...
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