Wednesday, January 18, 2017

【書評】 上からの革命――スターリン主義の源流 溪内 謙著


上からの革命――スターリン主義の源流 (岩波オンデマンドブックス)
上からの革命――スターリン主義の源流 (岩波オンデマンドブックス)
溪内 謙著
エディション: オンデマンド (ペーパーバック)
価格: ¥ 12,960

5つ星のうち 5.0 歪曲された科学的社会主義の原理:1928年からのスターリン体制確立と其のレーニン時代との本質的な差異を検証2017/1/18
重要ポイント:溪内氏は、最も優秀な日本の社会主義研究者です。本書は、彼の生涯の仕事の集大成です。溪内氏のソビエト研究及び科学的社会主義研究は、今も日本最高峰である。本書は、1928年からのスターリン体制確立と其のレーニン時代との本質的な差異を検証し、見事に其の差異を立証した国内最重要の社会主義文献である。

事実関係:

1、レーニン時代のボリシェビキ革命の最高原則は、農民と労働者間の説得と合意に基づく社会主義建設への移行であり、其の反面、封建時代からの古い農村共同体を各地に残存させそれに依存していた欠点があった。結局、レーニンが1918年に検証したように、1917年の二つの革命は結局歴史的にはブルジョア革命の範疇(10月革命は、労働者による代理のブルジョア革命であるが、主体が労働者政権であるため、通常よりも労働者寄りの政策が推進された)であった。問題は、スターリンが穀物危機対策の名目で、工業化を担保するために農村各地にレーニン下で認められ党員といえど干渉不可能だった農民自治を蹂躙する全権代表制を最初非常処置として採用し、説得や合意によらない穀物の強制徴収と集団化を強行し、それが硬直したスターリン体制の物質的土台を成すウラルーシベリア方式を確定し、原理へと高め、レーニン時代の革命の本義である労農合意原則を蹂躙した点にある。スターリン以降のソビエトの経済的な土台は、この革命原則の破棄の上に成り立っていたのである。これが、レーニンとスターリン時代の本質的な差異を構成する本質的相違である。

2、暴力と一党独裁は、科学的社会主義の原理ではないし、それらを原理にしたのはスターリンである。また、ロベスピエールやそのテロルをそのまま信奉していたというのは誤りであり、トロツキーもロベスピエールを批判している。情緒的な言動の誇大解釈で、ジャコバンのレッテルを貼る道理はない。しかし、28年以降のスターリン時代では今日共産主義という名で理解されているところの恐怖政治が実現し、革命は堕落した。十月革命の民主的原則が、完全に破壊されてからである。

コメント:溪内氏は、日本における真の科学的社会主義の最高権威であり、今も彼のスターリン主義の批判的研究成果は全ての研究者の必読の書となっている。基本的に、溪内氏の本書は、彼の研究の総合であり、最低限本書を読めば其の全体と最後の到達点が把握できます。

是非文庫版をリクエストします!

Source:中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! Keep going, comrades! 親米親中親露!米中露至上主義!民主主義に禁句はないし、国境も文化の垣根もない!民主主義を世界へ!在日外国人への差別を止めよう!反陰謀論悪徳業者!)  

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