Thursday, January 5, 2017

【書評】短絡的にネオコンとトロツキーの思想を混同するという詭弁に焦点を当てる


トロツキー研究 no.44
トロツキー研究 no.44
トロツキー研究所著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,944

5つ星のうち 5.0 短絡的にネオコンとトロツキーの思想を混同するという詭弁に焦点を当てる2017/1/4
レビュー対象商品: トロツキー研究 no.44 (単行本)
日本でも反共陰謀論を散布する業者は、佐藤優、副島隆彦、姜尚中などが2003年以降顕著です。彼らは、反体制などではなく、体制内の業者です。鳩山にしても体制内の一反対派という位置付けにしかなりません。

一つは、ネオコンがトロツキストだという陰謀論です。これは、トロツキーの思想とネオコンの新自由主義が同一だという誤認曲解です。

本書は、シャハトマンらによる1930代年後半から40年代前半までのソ連の本質論、ソ連防衛論、官僚集産主義社会論の3つを巡る論争を総括しています。一部のネオコン思想家(シャハトマン)が元トロツキストであったことから、短絡的にネオコンとトロツキーの思想を混同するという詭弁に焦点を当てています。『シャハトマン派とアメリカ知識人 』は、特に必読です。

事実関係

1、シャハトマン派は、トロツキーと離別した後、冷戦期に反ソ傾向を強め1970年代までに対局のネオリベラルな極右ネオコン思想に変質した。
2、ネオコンによる海外政府の転覆は、ネオリベラルな傀儡政権を民族政権や左派政権に置き換える反革命である。
3、トロツキーの永続革命論とネオコンの帝国主義とは思想的に対局である。

コメント:唯一事実であるのは、一部のネオコンであるシャハトマンが元トロツキストであり、トロツキーとも思想的に離反したことである。
ソ連に関しても、シャハトマン派は何重にも誤っており、官僚階級論や官僚集産主義社会は未来の社会ではないことがソ連崩壊でも証明されたし、ネオリベとはさらに異質である。ネオコン=トロツキズムという陰謀論は、現実の思想的運動における弁証法を無視した中傷にすぎない。

シャハトマン派とトロツキーの関係と、論争の顛末の脈絡を無視することでこのような詭弁が生じるのである。また、当時のトロツキーの立場は弁証法的でない極左傾向との分裂はあれ、ソ連崩壊後の世界を見れば正しい見解だったとわかる。当時のスターリン政権に反対しつつ、ソ連という存在を擁護し、政治改革による官僚支配の打破を主張したのは正しい。これは、フルシチョフやゴルバチョフが試みた。さらに、当時はスターリンのスパイが第4インターナショナル内に入り込んで破壊工作をしていたことも無視できない。
 

本誌は、トロツキー研究の必読書です!

Source:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!Workers of the world unite! Keep going, comrades! 親米親中親露!米中露至上主義!民主主義に禁句はないし、国境も文化の垣根もない!民主主義を世界へ!在日外国人への差別を止めよう!反陰謀論悪徳業者!) 

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