Saturday, November 29, 2014


外務省の分析メモという文体は新鮮!2014/11/19
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本書は、あくまで10分の立ち読みで読了できるものではなく、あくまで各トピックから10分ほどで情報のエッセンスを読み取れるというものです。本書の分析メモで私が全体の展望として最重要のテーゼだと思ったのは佐藤さんの以下の分析箇所です。

佐藤さん:ロシア、中国、イランなどは、「戦争には、必ず勝者と敗者がある」という前提で、「勝者には戦利品を獲得する権利がある」という古典的戦争観に基づいて外交政策を遂行している。これに対して、米国、EU、イスラエルは、国内的コストを考えると、なかなか戦争という手段に訴えることができないため、外交への依存度が高くなる。その結果、ロシア、中国、イランが、「欧米が強硬な警告を発してもそれは口先だけで、戦争に訴える腹はない」と認識するようになった。従って、今後しばらくの間、戦争に訴える覚悟をした諸国が国際政治に於いて実力以上の影響力を行使することになるであろう。(PP.192-3)

この分析の前提は、以上に挙げられ二分されている諸外国は基本的に帝国主義的であるということであり、佐藤さんが分析されているのはその帝国主義諸国、潜在的覇権国家の二つの傾向です。

戦争の予兆(佐藤さんは大戦前夜ともいう)に関して、佐藤さんは冷静な分析をされており、集団的自衛権の解釈改憲騒動でも、安保法制なしに直ちに有効となるわけではないと諭しておられます。ただし、今年末の衆議院解散総選挙でねじれなしに安倍自民党が勝利すれば来年の国会でその戦争推進政策である集団的自衛権行使を実際的に可能にする安保法制が成立します。戦争の兆しは、日本でも戦争が高い蓋然性で近未来に起こりうることを示しています。

本書は佐藤ファン必読の書です。

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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