アベノリスクは、アベノミクスの対義語である[1]。安倍晋三首相による新自由主義的な経済政策であるアベノミクスや、外交政策、軍事政策によって引き起こされる日本国民、日本経済の危機、損失(リスク)のことである[2]。経済学者の植草一秀の著書のタイトルであり[3]、森永卓郎[4]、山田博士の著書のタイトルに使用されている表現である。またアベノリスクは政治経済の有識者のコメントにも数多く使用されている(下記)。
目次
[非表示]概要
アベノミクスがレーガノミクスを模倣した「安倍」と「エコノミクス」を合わせた造語であるのに対し[5]、アベノリスクはアベノミクスをリスクに置き換えた造語である。 安倍晋三の提唱するアベノミクスは、その基本方針を「三本の矢」と表現しているのに対し[6]、植草一秀の主張するアベノリスクでは、その危険性を、「七つの大罪」と表現している[3][7]。
内容
植草一秀によるアベノリスク
植草一秀によるアベノリスクは、下記の7つリスクを基本としており、それを「七つの大罪」と表現している[8]。植草によれば、安倍政権は弱肉強食の、大資本優先の新自由主義経済政策を推進しており、短期的には資本に有利な諸施策でも、長期的には様々な破滅に導くという意味でアベノリスクという概念が規定された[9]。
- アベノリスク 第2の罪 大増税不興 繰り返される3度目の悪夢[11]
- アベノリスク 第3の罪 TPP 失われる主権[12]
- アベノリスク 第4の罪 活断層の上の原発再稼働[13]
- アベノリスク 第5の罪 シロアリ官僚に食い尽くされる[14]
- アベノリスク 第6の罪 改変される憲法[15]
- アベノリスク 第7の罪 創作される戦争[16]
個別のリスクとしては、それぞれの「罪」として下記などが提示、指摘されている[17]。
- 第1の罪 引き起こされるインフレ
- 日銀の資産を大幅に劣化させてまで誘導される激しいインフレが、政府と大企業だけを救い、インフレでも給与は上がらず、国民は大いに苦しめられた[18]。
- 第2の罪 大増税不興 繰り返される3度目の悪夢
- 大増税によって景気はますます悪化し、アベノミクスへの期待効果によって生まれたわずかな株高などは簡単に吹き飛ばされた[19]。
- 第3の罪 TPP 失われる主権
- TPP加盟によって日本の保険・金融・国土はハゲタカに破壊し尽くされ、美しい国土は荒れ地と化し、アメリカ市場原理主義の猛威が日本社会を荒廃させた[20]。
- 第4の罪 活断層の上の原発再稼働
- 活断層の上の原子力発電所がいつのまにか続々と再稼働し始め、人々は原発事故の放射能の悪夢に怯える日々を過ごした[21]。
- 第5の罪 シロアリ官僚に食い尽くされる
- またもや拡大し始めた巨額の公共事業利権に血税を食い荒らすシロアリ官僚が増殖し、再び増額された巨大公共事業・役人利権予算に群がった[22]。
- 第6の罪 改変される憲法
- 独善的な憲法改正によって人権と国民主義は制限され、権力の横暴を防ぎ止める役割を担っていたはずの憲法が、国家権力によって次々と都合よく改悪され、国民主権や基本的人権がないがしろにされた[23]。
- 第7の罪 創作される戦争
- 憲法改悪によって戦争への道が切り開かれ、集団的自衛権の名のもとに日本が報復攻撃の対象とされ、挙げ句の果てには、「戦争が必要な国」アメリカに巻き込まれる形で戦渦に晒される[24]。
森永卓郎によるアベノリスク
森永卓郎によるアベノリスクでは、安倍政権によって悪夢のような格差社会、利権社会がやってくるとされている。「2013年7月の参議院選挙後、アベノミクスに沸く中、静かに進む社会変革。その動きは一気に加速する。安倍政権が目指すのは、超弱肉強食、かつ強烈な利権社会だ。「そんなこと、おとぎ話だ、妄想だ」と躍起になって否定する人は多いだろう。体制側にいる人ならなおさらだ。しかし、庶民にとっての悪夢が現実となってからでは遅いのだ。」と主張されている[4]。
その他の有識者によるアベノリスク
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脚注
注釈
出典
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、PP. 1-4。
- ^ a b “アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪”. 講談社(2013年7月3日). 2014年11月1日閲覧。
- ^ a b “庶民は知らないアベノリスクの真実”. 角川マガジンズ(2013年7月10日). 2014年11月1日閲覧。
- ^ “アベノミクス - トクする日本語 - NHK アナウンスルーム”.NHK (2013年4月17日). 2014年11月1日閲覧。
- ^ アベノミクス「3本の矢」、首相官邸ホームページ、2014年11月1日閲覧
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社。
- ^ 楽天ブックス アベノリスク - 日本を融解させる7つの大罪、楽天ブックス、2014年11月1日閲覧
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 14。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 62。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 261。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 148。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 178。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 206。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 234。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 4。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 14。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 62。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 261。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 148。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 178。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 206。
- ^ 植草一秀『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』講談社、P. 234。
参考文献
- 植草一秀著『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 』(講談社、2013年)
- 森永卓郎著『庶民は知らないアベノリスクの真実』(角川SSC新書、2013年)
- 山田博士著『社会の裏側! 3……牛丼店「すき家」が、従業員を貧困のどん底に!ニッポン人の心と体を救う山田流「時事呆談」: アベノミクスって、じつは「アベノリスク」じゃないの』(山田博士いのち研究所、2014年)
関連項目
- アベノミクス
- トリクルダウン理論
- 安倍ドクトリン
- 日本経済再生本部 - 産業競争力会議 - 国家戦略特区
- 環太平洋戦略的経済連携協定
- 年金積立金管理運用独立行政法人
- 成長戦略
- 金融緩和
- 公共工事
- 消費税
- 格差社会
- 失われた20年
- 菅義偉
- 高橋洋一
- 浜田宏一
- 黒田東彦
- 本田悦朗
- 岩田規久男
- 中原伸之
- 山本幸三
- 藤井聡
外部リンク
- 「アベノリスク」|ニューノーマルの理 (ことわり) 、Powered by Ameba、2012年12月25日更新
- 「アベノミクス」と「アベノリスク」、榊原英資|WEBRONZA - 朝日新聞社、2013年1月24日更新
- いよいよアベノミクスがアベノリスクに:5月26日・高槻市での街頭演説より、辻元清美 ブログ、2013年5月28日更新
- 低迷する欧米経済と顕在化するアベノリスク、脇田栄一、2013年10月1日更新
- アベノリスクの本当の恐さ~植草一秀氏ブログ.ネットアイビーニュース、2013年12月2日更新
- 「アベノリスク隠し解散だ」民主・海江田代表、海江田万里、朝日新聞デジタル、2014年11月23日更
新
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