Saturday, July 19, 2014


一年以上も待ってましたこの「戦後再発見」双書第三弾!, 
対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
 
2014/7/19
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マッカーサー米駐日大使が外務省と検察を操作して、在日米軍違憲という全く正しかった伊達判決を挫折させた砂川判決の再審請求が今年なされる中、本書は時宜を得た内容です。感激しながら、今も他の用事を全て棚上げして熟読中です。

内容に関しては、在日米軍駐留違憲という日本の主権者の立場に立った偉大で愛国的な伊達判決を葬る(戦後日本の真の独立の挫折)ために、米国務省が画策した秘密工作の詳細且つ膨大な機密文書内容の開示が本書の第2部である「秘密文書の発見」でなされています。例えば、アメリカ側の砂川判決に対する最終的評価は、機密文書の一つでは以下のようになっています。

「アメリカ軍基地の合憲性。1959年3月30日の砂川事件東京地裁判決により引き起こされた米軍基地に対する脅威は、1959年12月16日の全員一致による最高裁判決によって取り除かれた。それは、下級審の判決を否定し、日本における米軍駐留の合憲性を確立した。最高裁は再審を命じ、それは、1960年7月7日に、異なる裁判官により東京地裁で行われたが、問題の法律上の争点は最高裁によって明確に解決され、日本国内におけるアメリカ軍隊の地位にはもはや疑問の余地はない。」(202ページ)

つまり、日米行政協定だけでは、合憲性が成立していないことを米側は認めていたこともこれで判明したし、米側による日本の法体制への秘密介入は、一度だけではなく、同事件に関してもその過去の再審においても存在していたことが判明している。そして、これらの機密文書は米側が操作した砂川判決自体が違憲(外国政府による日本国の司法の独立の侵害=法治国家の否定)であることを何よりも明確に証明しており、今年新たに開始された砂川判決再審により伊達判決の正当性を取り戻すことが、日本の主権を取り戻す極めて重要な契機になるという緊要性は今も変わりません。

本書全体の概括は、安倍内閣独裁政権による集団的自衛権論議との関連で叙述されている本書の結論部の言葉に凝縮されている。

...安倍首相や高村正彦自民党総裁らは集団的自衛権の行使容認を正当化する根拠に、よりによって砂川裁判最高裁判決を持ち出しています。彼らの主張は、同判決は個別的、集団的を区別しないで、日本国に固有の自衛権があると認めているというものです。しかし、同判決の主旨は、『駐留米軍は日本の戦力ではない』という点にあり、固有の自衛権の内容を定義したり、集団的自衛権を認めたりしている訳ではありません。何よりも本書で検証したように、同判決の背後には、アメリカ政府の秘密工作・内政干渉があり、田中最高裁長官の『評議の秘密』漏洩など、司法の独立性が侵害されたあげくのはての判決でした。そんな黒い霧に覆われた判決には、何ら正当性はありません。」(322ページ)
 

本書は全日本国民必読の書です!

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