Sunday, July 27, 2014


イタリア製原発ホラー映画の名作対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
2014/7/27
本作は、カーク・ダグラス演じる原発建設を推進する電力会社のケインが、その本当の息子を絞殺し、原発事業ごと世襲しようとするエンジェルという悪魔が、最後には原発=黙示録で地球を焼き払う悪魔の陰に苦悩し、挫折したカーク・ダグラスを追いやり、原発事業を強行するところで映画は終わる。原発=悪魔という、キリスト教の勧善懲悪を通した反原発プロパガンダのフィクションにおける形態の典型が本作です。イタリアンといより、ハマーの英国映画に近い緩慢で、堅実な劇映画の制作態度がよく出ています。しかし、悪魔に頼り過ぎのプロットは破綻気味で、物語の整合性は不足してます。本作は、プロパガンダとして修辞学が傑出しており、原発=悪魔=ホロコースト=ナチ=資本家という思考の構図が埋め込まれています。

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