Thursday, July 23, 2015

マルクスからみる戦後日本思想史の正体


マルクスからみる戦後日本思想史の正体2015/7/17
サトウ主義の戦後日本思想史観が、マルクス主義をプリズムにしてダイナミックに展開されている対談の再録本です。

佐藤さんは、非共産党マルクス主義(労農派マルクス主義)、とりわけ世界初のマルクス エンゲルス全集を編纂した日本労働運動史の最重要人物向坂逸郎の社会運動史上の重要性を後世のために記録、総括することを主眼に本書を上梓されました。しかし、真の価値は、結論ありきの講座派と、脱教条、非共産党マルクス主義の様な思考の労農派を、日本人の二大思考形態として総括していることだけでなく、ソ連社会主義の失敗と労働運動の失敗の歴史を総括して、21世紀の日本に於ける社会主義、社会改革の展望と総括が最も説得力に富んでいることです!本書は、現在の日本の社会主義の最重要文献です。

幾つかの要諦を概括すると、以下の如くです。

1. 非共産党マルクス主義の脱中心化思考の労農派は、日本の特色ある社会主義運動の包摂力に富んだ最良部分である。それは、社会主義運動と労働運動を乖離させず、あくまで労働運動として、階級闘争を平和革命の理念で展開する。そして、スターリンの二段階革命論はとらない。

2. 産別、県別、中央労組で、労働者階級全体の統一協働の組織網の構築で、労使問題=階級闘争に対処し、真の団結を組織的に達成させること。

3. 人民内部の矛盾の解決は、日本的内ゲバ文化=農耕社会的セクト主義という政治組織を無力化する傾向との戦いで不可欠である。

4.ピケティは、自分たちで格差、差別是正をせず、官僚機構の課税に望みを託している点で待機主義である。しかし、彼がフラットタクスに反対の点を本書は言及していない。

5. 労働時間の短縮は、ソ連が達成した社会主義の成果である。

6. ソ連の社会主義市場の選択肢では、商品や市場を否定していないのは、反動ではない。どちらも、資本主義から応用できる便利な分配手段として配給制度より機能する。この点は、ソ連の証明した社会主義の真理である。

7. 労働力の商品化と合理化による労働者の圧迫とは、戦わなければならない。

8.完全な平等や完全な計画経済は、空想でも、大体の平等や大体の計画経済でいいし、実現可能である。

9. 日本の民主主義は、各個人によるのではなく、国家が保証する形であり、欧米と異質で後進的である。

10. マルクスは、ストライキから革命までを労働運動と社会主義運動を分離せず、あくまで階級闘争として規定しているが、労農派も外部注入論ではない。

11.良い労働条件と労働者の人権保証が、良い仕事だけでなく、正しい社会主義建設の本義であるが、ソ連は、商品や市場をなくそうと躍起になり、本義を見失っていた。

11. 労働問題を無視し、今だけ、金だけ、自分だけのネオリベ思考を、涵養する教育は、退化である。

最後に、山崎氏の言を引用する。

山崎氏: ...政治に転機が訪れたときに、社会主義、労働運動の陣営が、過去の運動の総括を出来ていなければ、転機は、転機でなくなってしまう。( p.255)

過去の総括は、前進の不可分の契機である。
それは、階級闘争も例外ではない。
社会主義とは、労使階級闘争に於ける労働者階級擁護及び最終的な解放の実践と理論の総体である。それは、現実の労働運動として存在する。ソ連が崩壊しても、階級闘争は継続していることは、社会主義の必要性の不変性及び資本主義の終局的勝利の否定である。

さらに、私は以下の内容と佐藤さん一流の品質を保証します。

佐藤優による戦後日本の思想・社会運動論。

対話する相手は、彼が十歳代に加盟した日本社会主義青年同盟の指導者・山崎耕一郎。

向坂逸郎ら日本の理論・実践家への思い、ピケティへの評価なども交え、資本主義の問題点と、そこからの脱却の可能性について語る。

本書は、全ての佐藤ファンの必読書です!

Cited:

中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2015, 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!対米従属批判!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)

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