Monday, July 13, 2015

Slavish Obedience to the U.S.


==概要==
この対立は、人種や文化の次元でのいわゆる[[親米]][[反米]][[二元論]]とは峻別される。例えば、世界的ベストセラーとなった著書『[[帝国以後]]』にて[[エマニュエル・トッド]][[親米]][[反米]]の構図ではなく、ポスト・アメリカ主義として対米自立を位置づけている<ref name="[[エマニュエル・トッド]]">[[エマニュエル・トッド]]『「帝国以後」と日本の選択』、[[藤原書店]]PP.10-11</ref>。さらに、法学博士の[[進藤栄一]]もパクス・アメリカーナ(米国による力の支配に依る平和)が終焉し、ポスト・アメリカの時代にあるとしてアラブの春などアジアの対米自立運動を論じている<ref name="[[進藤栄一]]">[[進藤栄一]]『アジア力の世紀――どう生き抜くのか』、[[岩波書店]]2013年、PP.11-16</ref>。また、対米自立は米国による主権侵害の打破を目標とし、対米従属と共に[[第一次世界大戦]]以前の[[19世紀]]後半から[[21世紀]]の現在に到るまで世界史に広範に確認されており、右翼・左翼の別なく両派にもみられる。そして[[日本]]一国やその[[戦後]]史に限定されないばかりか、国内外の[[国政]][[地方]]行政双方の領域にも広範に認められ、さらには対米従属と対米自立の闘争は[[アジア]][[ラテンアメリカ]]に限定されず、[[アフリカ]]や、[[中東]]や、[[オセアニア]]や、[[ヨーロッパ]]地域など全[[世界]]的規模で存在する。対米自立はあくまで当該国の主権侵害国が米国であるから対米なのであり、対中従属、対韓従属など米国以外の特定国への従属を意味しない。チベットやウイグルは中国に対し政治的・軍事的に従属しているが、民族自立の動きはいっそう強まっている。

ちなみに対米従属という従属国側の観点からの用語は、日本においては歴史的にその現象への固有な政治的概念(例えば2012年刊行の著書『自滅するアメリカ帝国 日本よ、独立せよ』で、[[伊藤貫]]はそれを"対米依存主義"として定義しているし、"過剰な対米依存"という見方もあるし、ジョン・W・ダワーのように従属的独立という概念としても提起されている)<ref>伊藤貫『自滅するアメリカ帝国 日本よ、独立せよ』、[[文春新書]]P.9</ref><ref>[[鳩山由紀夫]][[高野孟]] 『民主党の原点―何のための政権交代だったのか』、花伝社、2012年、P.56</ref><ref name="豊下 楢彦">豊下 楢彦『安保条約の成立――吉田外交と天皇外交』、[[岩波新書]]P.230</ref><ref>ジョン・W・ダワー 『転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か』 (NHK出版、P.2472014年。</ref>として独自に発展してきたが、対米従属は欧米など海外に於いては、主にアメリカ[[帝国主義]]([[:en:American_imperialism]])という政治用語を用いて宗主国の立場から捉えられ、その範疇で対米傀儡政権が批判されている。それに対してラテンアメリカやアフリカでは、[[帝国主義]][[新植民地主義]]([[:en:Neocolonialism]])という概念の範疇である。現在までに国際間では主として以上の三つの概念が顕著であるが、同一現象において対米従属の点を格別強調し概念化したのはこの問題における日本の論壇の特色である<ref>{{Cite web|last=thirdworldtraveler|title=U.S. Imperialism/Neocolonialism|url=http://www.thirdworldtraveler.com/Imperialism_Neocolonialism/Imperialism_Neocolonialism.html|accessdate=2014-01-17}}</ref><ref name="前泊博盛">前泊博盛『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』、[[創元社]]PP.394-6</ref><ref name="チャルマーズ・ジョンソン">チャルマーズ・ジョンソン『帝国アメリカと日本 武力依存の構図』、[[集英社]]を参照。</ref><ref name="豊下 楢彦">豊下 楢彦『安保条約の成立――吉田外交と天皇外交』、[[岩波新書]]P.230</ref>
[[File:Shigemitsu-signs-surrender.jpg|thumb|今も終わらぬ米軍駐留の始まり:ミズーリ号に於ける[[ポツダム宣言]]履行を承諾した[[降伏文書]][[休戦協定]])調印の様子]][[File:Sanford B. Dole holding newspaper.jpg|thumb|[[ハワイ併合]]過程における18931903年期間の[[ハワイ]]にみる最古の対米従属政権首班[[サンフォード・ドール]]]][[File:Iran521120.pdf|thumb|CIA初の海外政権転覆及び対米従属政権樹立の秘密軍事作戦AJAXNSC極秘文書]]

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