新たな琉球処分と東北処分という二大差別を考える:オスプレイパッドと化した高江と辺野古基地強行建設の連関とは?,2014/9/25
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レビュー対象商品: 日本の今を問う: 沖縄、歴史、憲法 (新書)
冒頭でまず、照屋さんの言葉が印象に残る。沖縄の高江という村は、米軍による蹂躙の的にされ、オスプレイのヘリパッドとなり、その命運は辺野古基地建設阻止にかかっている。
照屋さん:高江は「標的の村」にされた沖縄の集落であり、「高江と辺野古は不離一体」。 (P.5)
第一部での照屋さんと三上さんの対談で肝要なのは、一つ目は、北部訓練場や普天間飛行場周辺の住民の方達に対して補償金目当ての移住者だと言う虚偽中傷がネットで書き込まれている事態である。二つ目は、所謂日米合同の南島防衛は、中台戦争時に米国の台湾における権益確保の為に過ぎないこと。三つ目は、尖閣諸島の為にオスプレイや地対空ミサイルを沖縄に配備しているとかいうのは、虚偽であり、戦時にはその場所が、まず最初に敵の攻撃の餌食になることを米軍も安倍も見越していること。
国策の為に、福島も沖縄も犠牲にされ続けている。沖縄では、日米両政府に対するオール沖縄の全民闘争が激化している。安倍反動政権の崩壊なしに、それを止める術はない。
第二部での佐高さんと早野さんの対談では、ネオリベラルな中曽根政権下で、官房長官の後藤田正晴さんが、イラン・イラク戦争時に両国がペルシャ湾に撒いた機雷を掃海艇を出してイラン側のそれを回収しようとする中曽根に反対し、それはイランに戦争行為と受け取られると指摘し、阻止していた逸話が感動的である。又、これは集団的自衛権行使の欺瞞性も明示している事例なので参考になる。他にも、米国は、紛争時に当事国より日本人を輸送することはなく、自国民と英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド国民優先は規定されており、さらに自衛隊は栗栖弘臣の言ったように国民と財産は守らず、あくまで国家を守るのが目的という点にある誤解が正しく指摘されている。
第三部での村山元総理、雨宮さん、佐高さんの対談では、安倍が修正を画策している村山談話は、それが閣議決定された背景には与党であり続けたい為に、植民地支配の肯定的側面をあえて挙げずに自民党も不本意ながら受け入れていた背景が、村山さんによって証言されています。中でも幾つか印象に残ったのは、一つ目は、自民党内にしてもリベラル派が消えた政治的要因を村山さんが分析されている箇所です。村山さん:同一選挙区で派閥の候補者が競合してきた中選挙区制が廃止されてからは、小選挙区では一人しか公認をされないので、党から公認される以外に選挙に勝つ見込みはなくなってしまった。だから、党総裁、幹事長には反対できないのです。もう一つは、政党助成金です。昔は派閥の親分が選挙資金も票も全部面倒を見てくれた。だけど公認制では、選挙を戦えるように条件を整備するのは党であり、金の配分も党が行うので、党に反攻すればある意味もう選挙はできない。(P.99)
二つ目は、ネオリベラルな日本型雇用の現状に対する村山さんによる分析が必読です。彼が、1980年に派遣法が成立した際に、社会労働委員会の理事だった際に、派遣法が通ったら、労働組合が駄目になるという指摘をされており、正にその通りになったのである。現在の労働者達は、労働組合を組織していない、無組織労働者達(圧倒的多数は非正規)であり、労基法があっても彼らは「無権利状態」に置かれていると村山さんは正しくご指摘されています。では、何を為すべきなのか? 村山さんは言う。村山さん:そしてそういう労働者の皆さんは、隣で働いている労働者の姿を見て、あいつよりも俺の方がマシだと思って安心している。そうしてお互い競争させられているんですよ。だから「労働者は団結せよ」なんて言っても、団結できるような社会的条件がない。そうした労働界が無法状態になっている現状を、もう少しテコ入れをして目覚めさせて、立て直していかないとね。(PP.91-92)
三つ目は、韓国では徴兵制拒否運動や逃避者が多く、徴兵拒否は1年半の懲役刑を招来することを日本人は知らないということ。徴兵制拒否は、日本でも実施されれば懲役刑を招くのである。また、徴兵済みでないと就職できない社会になってしまう。しかも、韓国では6割以上が非正規なのである。20代の9割がフリーターなのである。米韓FTAの結果がそれである。
四つ目は、村山さんによる戦争観です。戦争とは何か? 村山さんの言には最大多数の戦後世代が共感します。村山さん:19歳か20歳くらいの若者がねえ、命令が来たら死ににいくんですよ。自分が死ぬ事によって日本が救われるならばまだしも、もう勝つ目処がないんだから、ただ死ににいくだけです。(中略)これが戦争なんですよ、こんな過ちを二度と繰り返しちゃいかんと、われわれは戦後誓ったんじゃから。その気持ちをやっぱり忘れちゃいかんと思うね。( PP.105-106)
村山さんのおっしゃる通りです。以上のこれらの対談からも安倍政権の暴走を食い止める為に安倍を打倒するのは急務です。
本書は、全日本国民必読の書です。
照屋さん:高江は「標的の村」にされた沖縄の集落であり、「高江と辺野古は不離一体」。 (P.5)
第一部での照屋さんと三上さんの対談で肝要なのは、一つ目は、北部訓練場や普天間飛行場周辺の住民の方達に対して補償金目当ての移住者だと言う虚偽中傷がネットで書き込まれている事態である。二つ目は、所謂日米合同の南島防衛は、中台戦争時に米国の台湾における権益確保の為に過ぎないこと。三つ目は、尖閣諸島の為にオスプレイや地対空ミサイルを沖縄に配備しているとかいうのは、虚偽であり、戦時にはその場所が、まず最初に敵の攻撃の餌食になることを米軍も安倍も見越していること。
国策の為に、福島も沖縄も犠牲にされ続けている。沖縄では、日米両政府に対するオール沖縄の全民闘争が激化している。安倍反動政権の崩壊なしに、それを止める術はない。
第二部での佐高さんと早野さんの対談では、ネオリベラルな中曽根政権下で、官房長官の後藤田正晴さんが、イラン・イラク戦争時に両国がペルシャ湾に撒いた機雷を掃海艇を出してイラン側のそれを回収しようとする中曽根に反対し、それはイランに戦争行為と受け取られると指摘し、阻止していた逸話が感動的である。又、これは集団的自衛権行使の欺瞞性も明示している事例なので参考になる。他にも、米国は、紛争時に当事国より日本人を輸送することはなく、自国民と英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド国民優先は規定されており、さらに自衛隊は栗栖弘臣の言ったように国民と財産は守らず、あくまで国家を守るのが目的という点にある誤解が正しく指摘されている。
第三部での村山元総理、雨宮さん、佐高さんの対談では、安倍が修正を画策している村山談話は、それが閣議決定された背景には与党であり続けたい為に、植民地支配の肯定的側面をあえて挙げずに自民党も不本意ながら受け入れていた背景が、村山さんによって証言されています。中でも幾つか印象に残ったのは、一つ目は、自民党内にしてもリベラル派が消えた政治的要因を村山さんが分析されている箇所です。村山さん:同一選挙区で派閥の候補者が競合してきた中選挙区制が廃止されてからは、小選挙区では一人しか公認をされないので、党から公認される以外に選挙に勝つ見込みはなくなってしまった。だから、党総裁、幹事長には反対できないのです。もう一つは、政党助成金です。昔は派閥の親分が選挙資金も票も全部面倒を見てくれた。だけど公認制では、選挙を戦えるように条件を整備するのは党であり、金の配分も党が行うので、党に反攻すればある意味もう選挙はできない。(P.99)
二つ目は、ネオリベラルな日本型雇用の現状に対する村山さんによる分析が必読です。彼が、1980年に派遣法が成立した際に、社会労働委員会の理事だった際に、派遣法が通ったら、労働組合が駄目になるという指摘をされており、正にその通りになったのである。現在の労働者達は、労働組合を組織していない、無組織労働者達(圧倒的多数は非正規)であり、労基法があっても彼らは「無権利状態」に置かれていると村山さんは正しくご指摘されています。では、何を為すべきなのか? 村山さんは言う。村山さん:そしてそういう労働者の皆さんは、隣で働いている労働者の姿を見て、あいつよりも俺の方がマシだと思って安心している。そうしてお互い競争させられているんですよ。だから「労働者は団結せよ」なんて言っても、団結できるような社会的条件がない。そうした労働界が無法状態になっている現状を、もう少しテコ入れをして目覚めさせて、立て直していかないとね。(PP.91-92)
三つ目は、韓国では徴兵制拒否運動や逃避者が多く、徴兵拒否は1年半の懲役刑を招来することを日本人は知らないということ。徴兵制拒否は、日本でも実施されれば懲役刑を招くのである。また、徴兵済みでないと就職できない社会になってしまう。しかも、韓国では6割以上が非正規なのである。20代の9割がフリーターなのである。米韓FTAの結果がそれである。
四つ目は、村山さんによる戦争観です。戦争とは何か? 村山さんの言には最大多数の戦後世代が共感します。村山さん:19歳か20歳くらいの若者がねえ、命令が来たら死ににいくんですよ。自分が死ぬ事によって日本が救われるならばまだしも、もう勝つ目処がないんだから、ただ死ににいくだけです。(中略)これが戦争なんですよ、こんな過ちを二度と繰り返しちゃいかんと、われわれは戦後誓ったんじゃから。その気持ちをやっぱり忘れちゃいかんと思うね。( PP.105-106)
村山さんのおっしゃる通りです。以上のこれらの対談からも安倍政権の暴走を食い止める為に安倍を打倒するのは急務です。
本書は、全日本国民必読の書です。
中西良太 / Ryota Nakanishi "憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (地球国地球省地球県地球市地球町地球村です)
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