Saturday, October 25, 2014


日本が在日米軍基地と原発を「止められない」理由とは?2014/10/23
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まず本書の最重要の命題をご紹介します。それは、真の改憲に必須の条項です。又、その際米軍基地、九条二項、そして国連の敵国条項をワンセットにして、その同時的な解決をなせる状況を創出していくために包括的に考察しなければなりません。ただの改憲本などではなく、原発問題も含めた体系的な批判論である点に留意がいります。

矢部さん:「この改正憲法の施行後、外国の軍事基地、軍隊、施設は、国内のいかなる場所に於いても許可されない。」この条文を一行、憲法に書き込む事ができれば、それでゲームセット。この長い長い戦後の対米従属の物語と、米軍の支配層が一体化した安保村の歴史も、終わりを迎えることになるのです。(277ページ)

ベストセラーとなった孫崎享氏の『戦後史の正体』をはじめ、「戦後再発見双書」シリーズをプロデュースした編集者の矢部宏治氏の新刊が本書です。インタビューに依ると矢部さんは、孫崎さんに習い禁忌を全く無視して自由に記述されたそうです。

矢部さん:「孫崎享さんをみならって、ノーガードです。全部書きました。」

本書の原点は、矢部さんによるとカメラマンの須田慎太郎さんと沖縄巡りをした『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』という最初の本です。

本書の要諦は四つに総括できます。

1、東日本大震災を契機に日本が基地や原発問題を再考する様になった流れが今も続いており、沖縄に始まる日本の基地問題の研究は、原発問題へと不可分に繋がっているという研究上の発見。

矢部さん:「沖縄の米軍基地の問題は研究が蓄積されています。これをきっかけに、原発の問題にアプローチすると、謎が解けるのではないか。そう思ったのです。」

2、日本の暗黒社会の心臓部である日米合同委員会の決定は、日本国憲法に優先するという主権侵害の永続状態への批判。

矢部さん:「ここで決められたことが、日本国憲法を超えてしまうんです。在日米軍との委員会なので、外務省や防衛省の官僚が入っているのは分かるのですが、法務省、財務省、農林水産省などの官僚も入っています。米側の代表は、基本的に軍人です。」

3、砂川裁判における米国の司法介入が、米軍駐留違憲を断じた伊達判決を駐日大使のダグラス・マッカーサー2世が、藤山外相に命令し、跳躍上告という形で、安保は違憲審査の対象外とする最高裁判決で覆した事件。

矢部さん:「日米地位協定の上に日米安保条約、サンフランシスコ講和条約があります。さらにその上に、国連憲章があります。国連憲章については、これまでほとんど考えられてきませんでした。そして、この仕組が最も露骨に表れるのが、原発の問題です。」

4、日米安保と日米原子力協定は、基地問題と原発問題をつなぐ。脱原発は、脱対米従属なしには達せられないことが詳細に分析されています。

矢部さん:「福井地裁により、大飯原発の運転差止判決が出ましたね。しかし、関西電力は何も動揺していません。それは、システムとして、判決が最高裁で覆るのだということを、みんな暗黙のうちに知っているからなんですね。日米原子力協定を見てみます。条文に『いかなる理由による(中略)協力の停止の後も、(中略)引き続き効力を有する』とあります。終了の後も効力を有する、本当に意味が分からない。徹底管理、ということです。」

例えば、反原発連合は、「うちは原発一本でシングルイシューでいく」という誤りを是正するべきである。日米地位協定と日米原子力協定は、基地問題全体と原発問題全体だけでなく、日本の司法問題でもあり、人権/民生問題でもあり、他の社会問題の構造的矛盾にもなっているので、各中間団体は問題の形式的な領域を超越して、領域横断的に団結しなくては、この巨大な敵にはいつ迄も敵わないのは至極当然です。社会問題領域も単に形式的にシングルイシューでいくのではなく、今は体系知が必須なのです。前者は、実践においても抽象的で全体として一領域に過ぎず孤立したものです。

本書は全日本国民必読の書です。

出典元:
中西良太 / Ryota Nakanishi "Amazon Top #500 Reviewer 2014, 2013です。 憲法、消費税、TPP、基地問題、原発、労働問題、マスゴミと前近代的司法が日本の最重要問題です!"さんが書き込んだレビュー (万国の労働者階級団結せよ!民主主義にタブーなし!在日外国人への差別を止めよう!)
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