Sunday, August 10, 2014


沖縄の75%の民意は辺野古移設反対!沖縄差別を正当化する悪しき抑止力論を解体する良書!   対米従属 Slavish Obedience to the U.S. 批判論者の中西良太さんのレビューより
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2014/8/7
本書では、沖縄の米軍基地の大部分を掌握している海兵隊に関して、沖縄差別と日本の米軍駐留を肯定する印籠となっている抑止力論の詭弁が見事に解体されています。

本書で柳澤さんは、まず橋本総理の時代の普天間返還という個別案件での合意が、いつの間にか辺野古移設なしには普天間恒久化へとすり替えられていることが、この辺野古移設問題での肝要な政策上の矛盾であることを指摘されています。これが、まず辺野古移設問題での基礎的な認識です。

柳澤氏:「最初は、確かに条件付きでしたが、橋本龍太郎元首相は、『五年ないし七年のうちに普天間を返還します』と言っていました。そちらのメッセージのほうがメインでした。しかし、今や『とにかく辺野古につくります。これがなければ普天間は動かしません』というメッセージになっています。目的と手段が逆転している状況です。」(153ページ)

鳩山政権も、海兵隊の抑止力論に反駁できずに辺野古移設要求に、民意に反して屈服させられたプロパガンダの主要なキーワードだけに主権者国民は無視できません。また、辺野古反対の住民を普天間返還の障害とみなすプロパガンダの罠に陥らぬ為にも以上の構図への自覚が必須です。

米軍の海兵隊は、元々大戦時から沖縄にいたのではなく、岐阜、山梨から1950年代の反基地運動で、1956年に本土から駆逐されて沖縄にいずわるようになりましたが、抑止力というものの、海兵隊は陸上作戦だけであり、北朝鮮や中共のミサイル攻撃や艦艇による攻撃に対応する部隊でもなく、ハワイや太平洋の同盟国の基地を、非戦闘員救出作戦(NEO)や人道支援/災害救援活動や同盟国との共同訓練目的でローテーションして、9ヶ月以上沖縄に常駐などしない部隊であり、中共への抑止力はあくまで平時に於ける海上保安庁と自衛隊です。一言で言うと、海兵隊自体になんら抑止力はないのは、彼らは沖縄を防衛しているのではなく、1971年久保/カーチス協定に基づき、航空自衛隊がむしろ海兵隊を始め、嘉手納基地を中心とする在沖縄米軍をミサイルで護衛しているのが現状です。つまり、沖縄自体を防衛しているのは、米軍ではなく、海兵隊が大半留守の米軍基地を守っている自衛隊なのです。言い換えると、沖縄の真の抑止力は自衛隊です。

彼らが沖縄にしがみつくのは、日本の官僚の要請と、基地費用を日本が大半を負担してくれて、しかもイタリアやドイツと違い平時の基地の管理権も現地の軍隊ではなく、米軍へ丸投げだからです。また、日本政府は1973年7月、ベトナム戦争後に米国が、海兵隊を本国へ撤退させるのを引き止め、彼らを沖縄に継続駐留するよう懇願した事実が本書で判明しています。さらに、米国のショースミス駐日主席公使は、ワシントンへ以下の内容を打電していました。

ショースミス駐日主席公使:日本側の海兵隊重視は日本に対する交渉上のテコになる。 (59ページ)

海兵隊抑止論は、以上のように日本側の要請を受け、米国も基地利権拡大維持の為にそれを利用することを思いついたという歴史的経緯があり、無視できません。正にそれが、抑止論の本質だからです。

さらに、冷戦期の1970年代に北海道の米軍実践部隊2万人を撤収させた時は、ソ連への抑止力云々の詭弁は持ち出されず、日本政府は対米隷属を貫き文句一つ言わなかったのに、沖縄では海兵隊撤退に反対し、抑止論を持ち出す有様です。ここにも、史的矛盾があります。(85ページ)

本書では、他にも具体的な海兵隊の海外分散と、自衛隊と一体化した太平洋地域での災害対策/人道支援による日米同盟の変革が謳われています。ただし、それは集団的自衛権は不要ですし、米軍の基地帝国の世界戦略であるリリーパッド肯定に成ってしまう危険があり、また問題の根本はポツダム宣言とサンフランシスコ講話条約の履行で、米軍を全て日本から撤退させ、本土も沖縄も解放することです。日米地位協定の破棄、米軍の撤退、これこそが、沖縄問題根絶のための不可避の原則的要求です。

では、住民はどう反対運動を行えば最も効果的なのか?柳澤さんはこう提言しています。

柳澤氏:普天間を囲む『人間の輪』など、ああいう平和的だが執拗な運動は、米国も大変嫌がることですから、日米両政府がデッドロックに乗り上げてしまったと認識させるシンボリックな運動に成ると思います。(167ページ)

本書は全日本国民必読の書です。

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