Monday, June 9, 2014


棄権者達の増加と民主主義の不在が日本にもたらすもの:特定秘密保護法は全権委任法のごとき授権法である!,2014/4/30
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今年は、名護市長選挙以外では、東京から鹿児島に至る先の選挙では主権者側の敗北が相次いだ。主因は、棄権者の急増=投票率の低下=国民の政治的欲求の深刻な減退である。

この21世紀版治安維持法であり、日本版全権委任法であると本書で論証された特定秘密保護法も主権者勢力の抗議も、例えば想田氏が本書の論考で指摘される如く、全くの出遅れ(九回裏で10点差で負けているのに気づいてようやく反撃に出た野球チームの如し)であり、国民は2012年4月の自民党改憲草案第二十二条の第二項が特定秘密保護法の萌芽であり、且つ戦後日本の対米従属のパペットである自民党が表明した民主主義破壊への犯行声明であることに全く気づいていなかった点が全ての元凶である。

自民党改憲案の第二十二条第二項にはこうある。’’(中略)公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。’’(本書、P.7)

石破のテロ=デモ発言の論理は、元々この自民党改憲案の論理に則ったものであり、特定秘密保護法は自民党改憲案の、憲法改正を経ぬ段階での前倒しと分離形式による、その当該条項の巧妙な詐欺的法制化であり、其の真の目的達成にはもちろん公安警察、検察官僚を主力とする国家の暴力利権集団を手段とし、尚かつ其の暴力を際限なきものに強化する。本書では、この上ない特定秘密保護法の本質が簡明に要約されている点が特に印象に残るし、既知でない方でも以下のテーゼでこの秘密保護法の本質を掴む事ができる。

次の国政選挙までの時間に、安倍内閣は日本の戦後政治史を逆転させる。秘密保護法は施行までに一年。アベノミクスでかしこくない民衆の、楽ではない日々に虚妄の灯を与え、TPPで農業経営を破壊し、あまつさえ原発技術を輸出して、独占企業の利益独占を後押しし、人々が気づく頃には、''秘密保護''の壁に囲まれる事になる。集団的自衛権の行使がまかり通って、憲法はあってなしの状態を作ろうとしているのだ。澤地氏(本書、P.16)

つまり、自民党改憲案の第二十二条の第二項が、特定秘密保護法として巧妙に気づかれずに達成された改憲なのであり、これが正にナチの手口に学んだやり口で、憲法を形骸化させ、憲法を変えずに憲法体制を変えてしまう詐欺手法である。この点を本書は、他の関連本よりも我々に気づかせてくれる。

本書は全日本国民必読の書です。

対米従属批判論者の中西良太さんのアマゾンレビューより

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