Monday, June 9, 2014


ストーン監督が描く米帝によるサルバドル干渉の秘密作戦の一部始終2014/4/13
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 本作は、リチャード・ボイルという実名のジャーナリストの実話に基づく。ここでは、中南米のエルサルバトルの対米従属政権とファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)との1979年から1992年まで続く80年代の内戦期が描かれ、ロメロ神父やアムネスティの米軍関係者らがCIAが訓練し、同国で虐殺と拷問に従事させた死の部隊に虐殺されるシーンが壮絶である。

 核心部分は、駐エルサルバドル米大使の葛藤である。彼は、米国の全権代表としてエルサルバドルの対米従属政権を支配していたし、それと同時にその死の部隊による人権蹂躙にも苦悩する良心をもっていた。最後は、CIAと米軍の圧力で、彼は米軍の軍事介入でFMLNの革命政権をあっけなく倒壊させるが、ボイルを国外脱出させ真実を伝播する為の助力をする。ここで、観客は対米従属の社会関係に於ける縮図を目にする。ボイルをリンチにして、虐殺しようとするその刹那に、米大使の命令を受けると、その死の部隊の隊員は悪逆の限りを尽くしてきたそれまでとは180度転換して、ボイルに対して幼なじみのような友好的態度になる。ここで、誰が同国政権の支配者であるかが分かる。この演出は、対米従属という政治的現象を映画的に概括した最良の事例である。

 本作は、劇映画として対米従属を批判した最初の成功例である。 

対米従属批判論者の中西良太さんのアマゾンレビューより

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