Monday, June 9, 2014


戦後史はCIAによる秘密作戦による他国政権の転覆とネオリベラリズムの蔓延の歴史である2014/3/21
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 本作では、ナオミ・クラインは原書における南アフリカのネオリベラリズムの箇所と、中国のネオリベラリズムの導入期を天安門事件前夜としている箇所を削除しているが、基本的には原書の、映像による簡約化がなされ、電気ショックの被害者やチリ訪問などのフッテージが原書にはない売りとなっている。基本的な原書の内容は、この映画を観れば理解できる構成である。
 ただし、ナオミ・クラインは1973年のピノチェトのCIA画策のクーデターをフリードマニズムとしてのネオリベの歴史への導入の最初の事例であるとしているが、事実上は、CIAの1968年のスハルトのクーデターがそのモデル・オペレーションであるし、ネオリベラリズムとして今日理解される国営産業の民営化と福祉国家解体、多国籍企業優遇の税制と規制撤廃を徹底した。
 さらには、CIA初の海外政権転覆作戦であるイランのモサデク政権転覆のクーデター(1953年)にその最初の事例を見いだすことができる。またシアヌーク国王の証言ではその手口はCIAが南米(グアテマラの1954年のCIAクーデター)で使っていたもので、東南アジアに適用されたと指摘している。そして、東南アジアのスハルトのCIA秘密作戦で開発されたのは、バークリーのマフィアをクーデター工作に現地へ潜伏させ国内情勢攪乱に利用し、南米で後に応用されるいわゆる死の部隊やコントラの政策的原型とした点も判明している。そこでは、拷問の手段として電気ショックが使われたが、それは同時に本作ではネオリベラリズムの常套手段である危機の創出の比喩ともなっている。

 ただし、本作はあくまでケインズ主義を対置しているが、オルタナティブは紹介されず、戦後のネオリベラリズム批判が主旨である。ネオリベのオルタナティブが何かを知りたい人は、クライン夫婦が制作したTHE TAKE(2004年)を鑑賞されるべきである。

本作は全日本国民必見の映画です。

対米従属批判論者の中西良太さんのアマゾンレビューより

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